センサーとデバイスを活用した応用製品はスポーツ分野にとどまらない。
米ファッションブランドのChromatは、Curieを組み込んだスポーツブラやドレスを披露。このスポーツブラは体温や発汗をリアルタイムに検知し、通風口を開閉して体温調整を助けるというものだ。ドレスのほうは着用者の状態を検知することで、背中に装着された翼のようなカーボンフレームがさまざまな形状に自動で変形する。
モバイル向けAR(拡張現実)アプリを手掛けるDAQRIの「Smart Helmet(スマートヘルメット)」は、深度センサーの搭載により周囲の状況を把握し、装着者の視界に適切な画像を重ね合わせることで指示を出せる仕組みが搭載されている。例えば作業現場などで、移動方向や作業手順を表示させ、間違いなく作業を完遂できるよう指示するといったことが可能だ。
スマートヘルメットのディスプレイはいわゆる透過型のHUD(Head Up Display)のように機能し、追加の情報を付加することで装着者を手助けするデバイスと言える。ちょうどMicrosoftの「HoloLens」を想像してもらえばいいだろう。
このスマートヘルメットも含め、スマートアイグラスと呼ばれるGoogle Glassのような装着型のデバイスは、どちらかと言えば産業従事者などB2B(Business to Business)分野での利用が進んでいる。
音楽業界とのつながりについては、グラミー賞を主催するThe Recording Academyとの協業に関する複数年のパートナーシップを発表した。グラミーウィーク期間中に開始される公式プログラム「Next Generation of GRAMMY Moments」において、Intelのテクノロジーを生かしたユニークな音楽体験をレディー・ガガ氏(グラミー賞を6回受賞)と提供するという。
基調講演には、同じくグラミー賞の受賞経験があるミュージシャンのA.R.ラフマーン氏が登場。同氏が手足に装着した、加速度センサーや通信機能を備えたセンサーデバイスは入力装置として機能し、その手足の動きで空間にあたかも楽器が存在するかのように演奏が可能となっている。国際大会まで開催されるほど市民権を得ている「エアギター」も、このセンサーデバイスを装着すれば演奏が可能だ。
今回のデモは音楽がテーマだったが、CES展示会場のIntelブースでは手の動きを3Dセンサーが感知して、画面のキャンバスに絵を描いたり、動きに合わせて画面の内容が変化したりと、一種のパフォーマンスを可能にする仕組みが複数設置されている。周囲には来場者による人だかりが常にできており、ステージやストリートのパフォーマンスでの活用が期待される分野だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.