パワフルな基本システムも特徴だ。評価機のCPUはSkylakeの開発コード名で知られるIntel最新の第6世代Coreプロセッサの中でも、高性能なCore i7-6700HQ(2.6GHz/最大3.5GHz、4コア/8スレッド、2次キャッシュメモリ6MB)を装備していた。クアッドCPUコアを内蔵し、Hyper-Threadingで8スレッドの同時処理が可能で、動作周波数も高速だ。TDP(熱設計電力)は45ワットと、ノートPC向けとしては高い。
メモリも標準で16GB(DDR4-2133 SDRAM)を搭載しており、クリエイティブ、マルチメディア、ゲームなど幅広い用途に対応できる処理性能を備える。
また、外部GPUとしてNVIDIAのGeForce GTX 960M(グラフィックスメモリ2GB)を実装しているのも見逃せない。GeForce GTX 960Mはモバイル向けのミドルレンジGPUであり、多くの3Dゲームを標準品質でプレイできるだけの3D描画性能を持つ。NVIDIA製GPUは、Adobe Photoshop CC、Adobe Premiere Pro CCなどのクリエイティブアプリケーションの処理を高速化できるため、クリエイティブユースでもニーズが高い。
GeForce GTX 960Mは、NVIDIA Optimus TechnologyによりCPU内蔵のIntel HD Graphics 530とアプリケーションごとに切り替えて使われる。高い3D描画性能が要求されるゲームやクリエイティブアプリケーションなどではGeForce GTX 960Mが、Webブラウズや動画再生などではIntel HD Graphics 530が使われ、パフォーマンスと消費電力を最適に保つ。GPUの使い分けの判断は自動だが、NVIDIAコントロールパネルで手動設定も可能だ。
データストレージは、PCI Express(NVM Express)接続の512GB SSDを採用する。評価機ではSamsung製の「PM951」というM.2フォームファクタのSSDを採用していた。19ナノメートルのTLC NANDフラッシュメモリを搭載したエントリークラスのモデルで、シーケンシャルリード1050MB/秒、シーケンシャルライト560MB/秒と、PCI Express接続SSDとしてはさほど高速な部類ではない。
なお、下位のスタンダードモデルは内容が少し異なり、CPUがCore i7-6300HQ(2.3GHz/最大3.2GHz、4コア/4スレッド、2次キャッシュメモリ6MB)、メモリ容量が8GBとなり、ストレージは1TB HDD(+キャッシュ用の32GB SSD)という構成となる。
通信機能は、IEEE802.11a/b/g/n/acの無線LAN、Bluetooth 4.1を標準で備える一方、有線LANポートが省かれている。本体のポート類は、SDメモリーカードスロット(SDXC対応)、2基のUSB 3.0(1基は電源オフチャージ対応)、Thunderbolt 3(USB 3.1 Type-C)、HDMI出力を装備する。
Thunderbolt 3は、Thunderbolt 3信号(DisplayPort、PCI Express混在)のほかに、USB 3.1 Gen 2ポートやMini DisplayPortポートとしても使える。New XPS 13はThunderbolt 3しかディスプレイ出力端子がないが、New XPS 15はHDMI出力も装備している点が利便性の面で大きい。
なお、Webカメラは、狭額縁デザインのため液晶ディスプレイの画面上部には内蔵できず、画面下部のフレームに搭載している。そのため、カメラに映る顔の角度が一般的なノートPCと異なり、下から見上げるアングルになる点は注意が必要だ。広視野角のIPSパネルを採用していることから、少しくらい画面を斜めにしても大きく視認性が損なわれることはないため、画面のチルト角度を倒し気味に使うとよいかもしれない。
底面の手前側にはステレオスピーカーを内蔵。音響ソフトウェアとしてWaves MaxxAudio Proを導入している。有効時の音圧はかなり高いが、最大にすると若干音割れが気になった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.