東京・秋葉原にある複合型オフィスビル「秋葉原UDX」――このビルの10階北ウィングにレノボ・ジャパンの本社があるのだが、3月4日の午前11時頃にオフィスを訪れてみると、ほとんど社員の姿が見えない。まだお昼前だというのに様子がおかしいぞ……?
実はこの日、レノボ・ジャパンではワークスタイル変革プロジェクトの一環として、秋葉原オフィスに勤務する従業員を対象に、テレワーク(在宅勤務)で業務を行う「テレワーク・デイ」を実施した。全社員580人のうち、84%がオフィス以外の場所で勤務しているという。
震災以降、緊急時における「事業継続性(BCP)」や、個々のライフステージに合わせるダイバーシティ(多様性)を尊重する「ワークライフバランス」に注目が集まる中、同社代表取締役社長の留目真伸氏は、今回のテレワーク・デイ実施の理由についてこう語った。
「既存の考え方や発想を変えて、会社の在り方を変えていく必要を感じている。多くの人が(オフィスの)外に出ることで、新たな変化を感じ、これまでとは違う人付き合いをし、自身の発想を豊かにしてほしい。デジタルライフを実現するためには、IoTの時代を見据えてデバイスメーカーはもちろん、PC業界だけでなく家電メーカーや住宅メーカーといったさまざまなコラボレーション“共創”を進めていく必要がある。これまでのように、一つの企業に閉じこもって研究開発を行い、製品を作り上げてマーケティングをしていれば、誰かが新しいソリューションを提供してくれるわけではない。ハードウェアだけそろえても社会やユーザーが求めるデジタルライフは実現しない」と、ワークスタイル変革への意欲を見せた。
他の先進国に比べて日本が抱えている問題として、長時間労働や団塊ジュニア世代が迎える両親の介護ニーズといった話にも触れ、「まさに、このタイミングでフレキシブルな働き方ができるテレワークが必要となる」と語った。
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