Synologyから、2台のHDDを搭載可能なNASキット「DiskStation DS216+(以下DS216+)」が新たに登場した。CPUにBraswell世代のIntel Celeron N3050 デュアルコア 1.6GHzを搭載するほか、AES-NI ハードウェア暗号化エンジンの採用により、データを暗号化した状態でも通信速度の低下がほとんど見られないという、パフォーマンスの高さが大きな特徴の製品だ。
この「DS216+」はこれらハードウェアの特徴に加え、次世代のファイルフォーマット「Btrfs」(B-tree file system)に対応しているなど、最新技術がふんだんに取り入れられた意欲的なモデルだが、本製品で初採用された新OS「DSM6.0」による数々の新機能も見逃せないポイントだ。今回はこのDSM6.0を中心に「DS216+」の実力をチェックしていこう。
一般的に、NASに用いられるOSには、Linux系とWindows Server系の2通りが存在する。このうち前者、Linux系のOSはNASに組み込むにあたってNASの機能に合わせたカスタマイズが必須であり、それだけにメーカーの注力度合いが、NASとしての機能や操作性、さらにはパフォーマンスにまで反映されやすい。つまるところNASのOSは、NASメーカーの実力を測るための格好のバロメータでもあるわけだ。
さて、Synologyが採用しているOS「DSM」(DiskStation Manager)は、そのLinuxをベースにGUI操作を可能にした同社独自のOSで、ブラウザ上でさまざまな操作が行えるほか、サードパーティ製を含めた数多くのアプリを組み込むことで機能を自由に追加できることが大きな特徴だ。競合メーカーに比べてメニュー類の日本語化も徹底して施されており、完成度は高い。
そのDSMは、これまでバージョンが5.2だったのが、今回のDS216+をはじめとする新製品からは最新版の6.0が利用可能になる。この「DSM 6.0」、ゆくゆくは同社NAS製品ほぼすべてに搭載されるとのことだが、今回のDS216+であれば、DSM 6.0をいち早く体験でき、そのメリットをすぐに享受できるというわけだ。
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