Synologyが放つ最新鋭NAS「DiskStation DS216+」実力診断最新OS「DSM 6.0」でいち早く試す(2/5 ページ)

» 2016年03月16日 06時00分 公開
[山口真弘ITmedia]

強化された全文検索機能に加え、外部ユーザからのファイルアップロードも可能に

 では具体的に何が変わったのか、順に見ていくことにしよう。前述のように、SynologyのNASはさまざまなアプリを組み込んで機能を自由に拡張でき、それらアプリの中にはサードパーティ製のものも多数含まれるが、今回のOSのアップデートでは、NASの機能と密接に結びついたSynologyの純正アプリを中心に、多くの改良が加えられている。

 最初に紹介するのは「File Station」だ。これはWindowsで言うところのエクスプローラに相当する、NAS上のフォルダおよびファイルを閲覧するためのアプリだが、大きく2つの機能が追加されている。

「File Station」。NAS上のフォルダおよびファイルを閲覧するためのアプリだ。ちなみにファイルのアップロードは、PC上のファイルをドラッグ&ドロップすることで行える

 1つは全文検索機能。全文検索を高速に行うにあたってはデータのインデックス化が欠かせないが、従来のDSM 5.2までは、インデックス化の対象は主にメディアファイルのメタデータのみに限定されていた。

 一方、今回のDSM 6.0ではテキスト系のファイル、具体的にはOfficeドキュメントなど700種類のファイル形式についてもインデックス化が行われるようになったため、NAS上に保管されている大量のファイルの中から、目的のファイルを任意のキーワードですばやく探せるようになった。

 本製品は1ドライブあたり最大8TB、合わせて最大16TBまで認識できる。それら全容量を消費するほど大量のファイルが保存されていても、マウスクリックで階層をたどることなく、キーワードで一発検索できる。主にビジネス向けの機能だが、スキャンしてOCR処理したPDFファイルを多数保存しているような個人ユースでも、威力を発揮するだろう。

指定したフォルダの中にあるファイルをインデックス化することで、高速な検索を実現している。従来はメディアファイルのメタデータのみが対象だったが、今回のDSM 6.0からはテキスト系のファイルも対象となった

 もう1つはファイルリクエスト機能。NAS上のファイルを相手に渡す場合、File Stationを使って共有URLを発行し、相手にダウンロードしてもらうことが可能だが、このファイルリクエスト機能を使うと、これとは逆方向に、外部のユーザーからファイルをアップロードしてもらうことが可能になる。つまりこれまでは配布が中心だったのが、新たにファイルの収集に適した機能が追加されたことになる。

 NASを使ったファイルの共有では、オンラインストレージやファイル転送サービスと違ってアップロードの手間がかからないのが利点だが、このファイルリクエスト機能を使えば、相手がNASに直接ファイルを送信してくれるため、ファイルを受け取る際にわざわざクラウドからダウンロードする手間を省略できる。サイズが大きいファイルをやり取りする場合、その効果は絶大だ。

 この機能の特徴は、わざわざNASに外部ユーザーのアカウントを作成しなくとも、アップロードの操作に限定した権限を一発付与できることだ。この権限はファイルアップロードに限定されており、ほかのファイルは見ることもできないほか、アンチウィルスアプリを併用することでスキャンも自動的に行われるので、ウィルスが感染したファイルを受け取ってNAS全体にウィルスが蔓延することも考えにくい。外部とのファイルのやり取りが多く、アップロードやダウンロードの待ち時間が長くて困っているユーザーにとっては、注目の機能といえるだろう。

右クリックからファイルの共有リンクを発行できる。ここまでは従来までのDSMにも存在した機能だ

「ファイル要請リンク」でユーザを指定することで、ファイルをNASに直接アップロードしてもらえる

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