一方、個人のファイル以外に、家族旅行の写真のように家族全員で共有したいファイル、また音楽ファイルのように他の家族も使う可能性があるファイルもあるだろう。こうしたファイルについては前述の個人のホームフォルダではなく、PhotoフォルダやMusicフォルダ、Videoフォルダといった専用のフォルダに保存するとよい。
これらの専用フォルダにファイルを保存するメリットはいくつもある。1つは、それぞれのファイル形式に応じたNASアプリが利用できること。写真の場合はアルバムの作成や外部公開が行える「Photo Station」、音楽の場合はWebブラウザ上での再生インタフェースを備える「Audio Station」、動画では「Video Station」といった専用アプリが用意されており、共有などが容易になるほか、スマホアプリを組み合わせることでスマホでの閲覧も可能になる。
また、これら専用フォルダに保存したファイルは、その種類に応じてインデックスやサムネイルが作成されたり、またビデオであればモバイルデバイス向けのビデオ変換が有効になり、その結果ファイルの検索やモバイルデバイスでの再生が最適化される。
つまりファイルの種類に応じたチューニングが施されており、そこに保存するだけで恩恵を受けられるので、使わなければ損というわけだ。DLNAに準拠したデバイスから呼び出してテレビ画面などで表示する場合も、これら専用フォルダに保存しておいたほうがよい。
もう1つ、このようにファイルの種類ごとに専用のフォルダに保存しておけば、それらの特性に応じたバックアップ先を指定できるのも、メリットと言っていいだろう。例えばファイルサイズが大きい動画をまとめたVideoフォルダは大容量のUSB HDDにバックアップし、個人のホームフォルダはクラウドにバックアップする、といった具合だ。これについては次の章で詳しく見ていくことにしよう。
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