音楽や映画、着信音を購入できる「iTunes Store」アプリ。映画の「おすすめ」タブ内にある各特集でも、iBooksと同じく、「映画を見て飯を食う」プロのエディターたちによる本気のキュレーションを見ることができます。
特に「コレクション」には映画好きなら思わずうなるような、エッジの効いた特集を毎週更新中。例えば「人気監督のデビュー作」では、リドリー・スコットの「デュエリスト/決闘者 The Duelists」を取り上げ、最新作の「オデッセイ」と見比べてみるといった楽しみ方を提案しています。
映画初心者なら、エディターが毎週おすすめの作品をピックアップした「今週の映画」からどうぞ。特別価格の100円でレンタルできるので、毎週買っても月400円で気軽に楽しめます。一方「Essentials」には映画ファンなら必ず見ておきたい珠玉の名作が、「スタッフのおすすめ」には、映画選びのプロが完全に独断と偏見で選んだ作品が紹介されています。
意外と知られていないのが、iTunes Storeの先行配信サービスと予約注文機能です。例えば、レオナルド・ディカプリオ主演の「レヴェナント:蘇りし者」はGWに話題となった作品ですが、すでに予約注文が可能で、7月27日からiTunes Storeで先行配信予定。DVD&Blu-rayは8月24日発売なので、1カ月前からApple製品で楽しむことができます。
作品のファンなら特典映像も網羅したいところ。そこで「iTunes Extra」の表記がある作品なら、本編の価格だけでメイキングなどのボーナスコンテンツもすべて見放題です。iTunes Store限定の独占映像などもあるので、コアなファンなら必ずチェックしておきたいところ。
iBooksにしろiTunes Storeにしろ、キュレーションされているのは「売れているもの」より、プロの選ぶ「いいもの」。コンテンツに対するエディターの愛が画面からビリビリ伝わってくる、センスの良い作品ばかりがそろっています。
Apple Music、AWA、LINE MUSICなどの定額制音楽配信サービスは、専門家によるキュレーションを魅力のひとつとして押し出しており、差別化が難しいほどにセンスのよいプレイリストがそろっています。
しかし電子書籍と映画配信市場においてはキュレーションに力を入れているサービスがまだ少なく、新作や人気ランキング、レコメンドエンジンによるおすすめ(しかもカテゴライズされず一覧表示なので延々とスクロールするハメになる)が一般的です。そのためセールやポイント還元、定額で見放題といった価格面での競争にさらされている状況です。
その点、iBooksやiTunes Storeは熱量のあるエディターによる人力のキュレーションを大切にしており、競合サービスとはまったく別のところで価値を生み出している印象です。今後音楽と同じように、本や映画コンテンツでも人力によるキュレーションがなされていくのか注目です。
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