先週注目を集めていたのは、HTCのVRギア「HTC Vive」だ。VR用のヘッドマウントディスプレイと両手で握るタイプのコントローラー、ユーザーの動作を追跡するベースステーションをパッケージングしたもので、税込み価格は10万8000円前後。国内向けのオンラインストアでは6月から販売していたが、7月7日に店頭販売が始まり、複数のPCパーツショップに入荷していた。
ドスパラ パーツ館は「初日から指名買いが殺到していて、週末を待たずに在庫切れになってしまいそうな勢いです」と話す。GeForce GTX 1080/1070やRadeon RX 480を搭載するVR対応のグラフィックスカードと一緒に購入する流れも出ているそうだ。
「元々VR目当てで最新GPUを待っていたという方も少なくないですからね。VRと最新のグラフィックスカード、それに見合ったマシンの再構築……と、複合的なブームが来るかもしれません」(同店)。
その流れはアキバ自作街全体で強く後押ししているようにもみえる。HTC Viveの店頭販売にあわせて、ツクモパソコン本店IIIはVRが体験できる専用コーナー「ツクモVR.」にリニューアルし、ドスパラ秋葉原本店の5階にも同じくVR専門フロア「ドスパラ VRパラダイス」がオープン。ユニットコムのゲーミングPCショップ「LEVEL ∞HUB」などでもデモ機を設置するようになっている。
あるベテラン店員氏は「複数のPCパーツショップがハコ単位で専門の売り場を作るというのは、3Dプリンタも3Dゲーミングのときでもなかったですから。今回は久方ぶりに街のカラーを変える勢いがあるように思います。VRが自作PCの太い活路になりうる存在なのは間違いないでしょう」と力強く話していた。
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