←・前回記事:「Razer Blade 2016」開封レビュー 覚えておきたい上質な高性能ノートPC
こんにちは、ドリキンです。サンフランシスコでソフトウェアエンジニアをしています。スタイリッシュでハイスペックなゲーミングノートPC「Razer Blade」の2016年モデルをUSのRazer本社からお借りできたので、前回の開封レビューに続いて、今回はライバル機との比較をしていきます。
ご存じの通り、ゲーミングノートPCはゲーマーにアピールするため、ボディーに派手な装飾や特徴的なデザインを加えた製品が多いのですが、このRazer Bladeは至ってシンプルですっきりした外観に仕上がっているのが逆に目立ちます。
Razer Bladeのデザインは、Appleの「15インチMacBook Pro Retinaディスプレイモデル」(以下、MBP15)によく似たデザインであることは一目見れば分かるでしょう。天面のRazerロゴは別として、全体にフラットで四隅を丸めたアルミニウムボディーは、CNC加工で精密にカットされ、まるでMBP15をブラックに塗ったかのようです。
ハードウェアのスペックを比べてみても、かなり似ていて、Razer BladeはゲーミングノートPCでありながらも、MacBook Proを強く意識して開発されたことが想像できます。
Razer Blade 2016年モデルと15インチMacBook Pro Retina(MBP15)の比較 | ||
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製品名 | Razer Blade | MBP15 |
本体サイズ | 345(幅)×235(奥行き)×17.9(高さ)mm | 358.9(幅)×247.1(奥行き)×18(高さ)mm |
重量 | 約1.93kg | 約2.04kg |
ディスプレイ(解像度/画素密度) | 14型(3200×1800/約262ppi) | 15.4型(2880×1800/約220ppi) |
液晶タッチパネル | 搭載 | 非搭載 |
CPU(コア数/スレッド数) | 第6世代Core i7-6700HQ(4コア/8スレッド) | 第4世代Core i7(4コア/8スレッド) |
CPU動作周波数 | 2.6GHz/最大3.5GHz | 2.2GHz/3.4GHz、2.5GHz/3.7GHz、2.8GHz/4.0GHz ※3種類から選択可 |
GPU | NVIDIA GeForce GTX 970M(6GB GDDR5) | Intel Iris Pro Graphics 5200、AMD Radeon R9 M370X(2GB GDDR5) ※2種類から選択可 |
メモリ | 16GB(DDR4-2133) | 16GB(DDR3L-1600) |
ストレージ | 256GB PCIe SSD、512GB PCIe SSD ※2種類から選択可 | 256GB PCIe SSD、512GB PCIe SSD、1TB PCIe SSD ※3種類から選択可 |
通信機能 | Killer Wireless-AC 1535(IEEE802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth 4.1) | IEEE802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth 4.0 |
Webカメラ | 約200万画素 | 約92万画素(720p) |
インタフェース | Thunderbolt 3(USB 3.1 Type-C)、USB 3.0×2、HDMI 1.4、3.5mmヘッドフォン/マイク兼用端子 | Thunderbolt 2×2、USB 3.0×2、HDMI、3.5mmヘッドフォン/マイク兼用端子 |
カードスロット | − | SDXCメモリーカードスロット |
内蔵スピーカー | ステレオ | ステレオ |
内蔵マイク | デュアル | デュアル |
キーボード | Chromaバックライト付きアンチゴースト機能キーボード | バックライト付きキーボード |
ポインティングデバイス | タッチパッド | 感圧タッチトラックパッド |
バッテリー | 70Whリチウムポリマー | 99.5Whリチウムポリマー |
ACアダプター | 165Wアダプター | 85Wアダプター |
OS | Windows 10 | OS X El Capitan |
ディスプレイのサイズと画素密度は、Razer Bladeが14型で約262ppi(pixels per inch:1インチあたりのピクセル数)、MBP15が15.4型で約220ppiです。画面サイズはRazer Bladeの方が一回り小さいですが、MBP15より高解像度になっています。もっとも、どちらも目視でピクセルのギザギザが全く分からない高精細で滑らかな表示です。ちなみに、Razer BladeはWindows 10搭載PCということもあり、MBP15にはないマルチタッチ対応のタッチパネルも内蔵しています。
ボディーサイズは、画面サイズが小さいこともあり、Razer Bladeの方が数mm単位でMBP15を下回っていますが、フットプリント、厚さ、重さはほぼ同じです。どちらも厚さは18ミリ程度、重さは2kg程度なので、モバイルノートPCほどの可搬性はありません。
CPUはいずれもクアッドコアのCore i7と強力ですが、Razer Bladeは最新の第6世代Core(開発コード名:Skylake)、MBP15は2世代前の第4世代Core(開発コード名:Haswell)を採用しているため、パフォーマンスには大きな差があると言えます。
GPUではRazer BladeがゲーミングPCの本領を発揮します。Razer BladeのNVIDIA GeForce GTX 970M(6GB GDDR5)は、MBP15のAMD Radeon R9 M370X(2GB GDDR5)に比べて、描画性能、グラフィックスメモリ容量ともに段違いの実力です。
またRazer Bladeについては、最大40Gbpsという高速なデータ伝送に対応したThunderbolt 3を内蔵し、純正オプションとしてThunderbolt 3接続でグラフィックスカードを外付けできるケース「Razer Core」が後日発売される予定です。これを使えば、デスクトップPC用のより高速なグラフィックスカードの描画性能をRazer Bladeに加えられるので、圧倒的な差となります。
そもそもWindows PCとMacなので、単純にスペックを並べて優劣を付けることはできず、それぞれのOSが持つ特徴の違いは無視できませんが、CPUとGPU(およびグラフィックスメモリ)のパフォーマンスはRazer Bladeに明確なアドバンテージがみられます。ゲームだけではなく、ビデオ編集やフォトレタッチなどクリエイティブな作業でもかなり処理速度が違うことは想像に難くありません。
MBP15は現行モデルが長らくアップデートされずに、発売されてからだいぶ時間がたっています。2016年内に新モデルが出るというウワサもありますが、特にGPUはゲーミングPCの方が性能を追求する傾向が強いので、内蔵GPUのパフォーマンス重視であれば、MBP15のモデルチェンジ後もRazer Bladeの方が有利な可能性が高いでしょう。
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