「PlayStation VR」はVR界のファミコン的存在か?(2/3 ページ)

» 2016年11月03日 06時00分 公開
[渡部晴人ITmedia]

PlayStation VRの弱点は?

 ここまではPlayStation VRのよい点だけを挙げてきましたが、他のVR HMDと比べた課題点も当然あります。

 VR HMDにおけるモーションコントローラーの存在はとても重要です。Oculus Riftには別売で199ドル(日本向け価格2万3800円/送料込)の「Oculus Touch」があり、HTC Viveには標準で付属する左右対称のワイヤレスコントローラー、Google Daydreamには位置トラッキングがなく方向のみ取得できるコントローラーが用意されています。

Oculus Touch Oculus Rift用のモーションコントローラー「Oculus Touch」。フィンガートラッキング機能により、仮想空間の中に自分の手が出現したような体験ができます

 一方、PlayStation VRのモーションコントローラーは2010年に発売された「PlayStation 3」用の「PlayStation Move」を使います。PlayStation VRの発売に伴い、USBの充電ケーブルを付属した新パッケージ(4980円/税別)が登場しましたが、最新のVR HMD向けに設計されているわけではなく、古い世代の製品です。

 PlayStation 4のコントローラーもカメラユニットの「PlayStation Camera」と内蔵のセンサーを使ってトラッキングが可能ですが、両手での操作を実現するためにPlayStation Moveでなければモーション入力ができないタイトルも存在します。

 モーション入力が前提のPlayStation VR専用ソフトを開発することが難しい現状は、Oculus Touchが別売となるOculus Riftと同じく、中長期的なソフトウェア動向に影響を与えそうです。

PlayStation Move PlayStation VRのモーションコントローラー「PlayStation Move」。古い製品なので、トラッキング精度はOculus Touchなど最新のVR HMDに最適化されたモーションコントローラーに劣ります

 もっとも、「Rez Infinite」や「Thumper」などのようにゲームパッドでもVRならではの体験ができるゲームソフトが登場していることも事実なので、今世代のVR HMD向けのソフトはしばらくゲームパッド中心のタイトルが主流となるでしょう。

VR HMDでこれまでにない没入感が味わえる音楽シューティングゲーム「Rez Infinite」
動画が取得できませんでした
スピード感と衝突感が刺激的なリズム・バイオレンスゲーム「Thumper」

 また、他のVR HMDに比べてコストパフォーマンスが高いとは言っても一般的なゲームハードウェアとしては非常に高い価格帯であることも事実です。

 特にスマートフォンについては高性能化・低価格化のサイクルが非常に速いため、数年後にはGoogle Daydream等のモバイルプラットフォームに抜かれる可能性もあります。

 事実、Oculus VRは2016年10月に開催した開発者会議「Oculus Connect 3」で一体型の位置トラッキング対応VR HMDの研究開発を行っていることを発表していますし、中国のIdealensは既に位置トラッキングこそないものの、高解像度パネルを搭載した一体型VR HMDの「Idealens K2」を3499元で発売すると発表しています(PlayStation VRの中国価格は2999元)。

Idealens K2 中国のIdealensが開発した一体型VR HMDの「Idealens K2」

 今でこそPlayStation VRは実績のあるPlayStationブランドによって最も認知度が高くリーズナブルなVR HMDとなっていますが、将来的にPC用のハイエンド製品とモバイル向けのローエンド製品との差別化をどうするかは、今後の成長に影響する重要なポイントの1つでしょう。

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