←・前回記事:ポメラ「DM200」徹底レビュー どれくらい快適に打てるのか?
キングジムのテキスト入力専用マシン「ポメラ」シリーズから新モデルの「DM200」が登場した。本体を開くと直ちに起動する手軽さ、打ちやすいキーボードなどポメラの特徴はそのままに、外部とデータをやりとりするための機能を追加した注目モデルだ。
2回にわたってお届けしているレビューの前編では、ポメラに求められる携帯性やキーボードの使い勝手、専用のATOK、電子辞書機能などを一通りチェックした。後編となる今回は、注目の新機能となる「ポメラSync」や「アップロード」を中心に見ていこう。
DM200から新たに搭載されたデータの同期機能は、1つが「ポメラSync」、もう1つが「アップロード」だ。DM200はWi-Fiを搭載しており、これらの機能を利用する際のみWi-Fiがオンになることで、バッテリーの消費をなるべく抑えるように設計されている。
まずはポメラSync。Gmailアカウントを経由し、iOSならびにmacOSとのメモの同期が行える機能だ。同期は双方向に行われるので、DM200で加筆したテキストをiPhoneのメモ帳で開いてさらに加筆した後、あらためてDM200で加工できる。
ただしこの機能、個人的にはやや的外れな印象が強い。というのも筆者の場合、ポメラで作成するテキストはあくまで「下書き」、かつiPhone/iPadのメモもやはり「下書き」で、欲しいのは「下書きを仕上げられる」デバイス、具体的にはPCとの同期機能だからだ。
ポメラとPCでテキストを加筆しつつ、最終的にPCに持っていって仕上げる……というフローは、この機能では実現できない。Macであればメモアプリを使って双方向の編集は行えるのだが、任意のエディタを選ぶことはできない。
実際の同期手順も面倒だ。メニューから「ポメラSync」を選ぶと、まずネットワークへの接続が行われ、それが完了して初めてポメラSync、つまり同期処理が実行される。この際、それぞれの処理が連続して行われれば何の問題もないのだが、ネットワークへの接続完了後、あらためてポメラSyncの「開始」ボタンを押さなくてはいけない。
恐らく選択中のGoogleアカウントを確認させるためだろうが、所要時間もネットワークへの接続だけで20秒前後、さらに同期で50秒ほどかかるなど煩雑だ。
むしろせっかくWi-Fi対応で同期ができるのであれば、GoogleドライブでもDropboxでも構わないので、特定フォルダ内のテキストファイルを丸ごと同期してくれれば、プラットフォームを問わないうえに好みのエディタも使えて文句なしだったのだが、少なくともこのポメラSyncについては、そうしたニーズを満たしていない。
バッテリーの消費を抑えるためのやむを得ない方法なのかもしれないが、少々奇をてらいすぎているように感じる。
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