BTOで柔軟な選択ができるサイコムのPCとしては、このようにパーツを限定することは珍しいが、こだわりの静音クオリティを保証するにはこのPCケースとケースファン、CPUクーラーの組み合わせからなる「Silent-Master Pro仕様」が必須だということなのだろう。
サイコムでは、この「Silent-Master Pro仕様」構成とIntel純正クーラーとP100の標準ファンを搭載した「標準的な構成」の動作音と温度について、第三者機関による詳細な検証を行ない、その結果をWebページで公開している。
静音性へのこだわりは、他の騒音源であるグラフィックスカード、電源のチョイスにも反映されている。
標準構成では、GeForce GTX 1050 Ti搭載カードとして「ASUSTeKのSTRIX-GTX1050TI-O4G-GAMING」を採用する。これはGPU温度が一定以下の場合は、ファンが停止するセミファンレス仕様の静音カードだ。
実際、GPU自体の電力効率が高く発熱が低いうえ、GPUクーラーの冷却効率も高いために多少負荷をかけた程度ではファンがなかなか回らず、回った際の音も実に静かで、回っているかどうか分からないくらいである。
電源は、Corsair RM650x (CP-9020091-JP) を標準で搭載。こちらも低負荷時はファンが回らないセミファンレス仕様で、静音性に優れている。これらのパーツはBTOで変更が可能で、選択肢も幅広く用意されているが、サイコムの意図する「究極の静音性」を望むのであれば、変更しないことをおすすめする。
ベンチマークテストの結果を見よう。評価機のスペックは、CPUがCore i7-7700K、メモリは8GB(PC4-19200、4GB×2)、メインデータストレージが275GB SSD(Crucial CT525MX300SSD1)、グラフィックス機能がGeForce GTX 1050Ti(ASUSTeK STRIX-GTX1050TI-O4G-GAMING)、OSはWindows 10 Home 64bitという内容だ。
CINEBENCH R15は、CPU性能をダイレクトに反映するテストだ。Kaby Lakeの最上位モデルを搭載するということで注目だが、CPU(マルチスレッド性能)は960というスコアが出ている。Core i7-6700K搭載機は880前後が相場で、比較すると9%程度の上昇だ。CPU(シングルコア)のスコアも193と高い。Core i7-6700K搭載機では180前後であり、こちらも先代比7%以上のスコアだ、先代からしっかり進化していることが分かる。
PCMark 8はストレージやグラフィックスカードの性能も含めたシステム全体の総合性能を計測するテストのため、Core i7-7700Kだからということではないが、スコア自体はとても優秀である。
GeForce GTX 1050 Tiグラフィックスカードを搭載しているため、3D描画性能も優秀。FINAL FANTASY XIV:蒼天のイシュガルドベンチマークではDirect X11、フルHDの最高品質で「非常に快適」評価を得ている。3DMark/FireStrikeのスコアは、先代のGeForce GTX 960、あるいは先々代のGeForce GTX 770搭載機を超えるようなスコアであり、当時のグラフィックスカードを知っている人は驚きだろう。
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