静音性は優秀というレベルを超えて、感動的といってよいだろう。評価機はHDDが搭載されていたため、起動直後の数秒のみHDDのモーターがスピンアップする音などがそれなりに聞こえるが、それ以外は「ほぼ無音レベル」といって差し支えないだろう。
通常の環境では、机の上で身体の近く、顔からは30〜40cmくらいの近い距離にあっても、電源LEDが点灯しなければ動いているのかどうかよく分からない。空調や他の電子機器などすべて停止した静かな空間で「強く意識すれば分かる程度」の感覚だ。高負荷をかけても、それが「多少意識すれば分かる」に変化する程度でしかない。Silent-Master Proの名は伊達ではない。
前面正面15cmの距離からの測定(室温17度、暗騒音31.5dB) | |
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アイドル時: | 32.5dB |
低負荷時: | 32.6dB |
高負荷時(3DMark/FireStrike): | 33.8dB |
高負荷時(CINEBENCH): | 33.5dB |
直販価格は、Intel Core i3-7100、メモリ4GB、480GB SSD、GeForce GTX 1050 Ti、DVDスーパーマルチドライブ、OSなしといった標準構成で12万5360円(税込)から用意されている。
ここからBTOで、CPUをCore i7-7700Kに、メモリを8GBに、ストレージをCrucial MX300(CT525MX300SSD1)+1TB HDD(TOSHIBA DT01ACA100)、OSにWindows 10 Home 64bit(DSP版)という評価機と同等の構成で見積もると、18万2470円となる。
単純に性能と価格だけの視点でコストパフォーマンスを考えるとインパクトはないかもしれないが、本製品はそういう視点で見るべき製品ではない。最新世代のCPUと外部GPUならではの高性能、そして何よりほぼ無音に近い静音性を実現していることにこそ価値がある。
冷却効率に優れた静音CPUクーラー、静音ケースファン、セミファンレスの高品質電源ユニットなど、コストもかかるパーツを適切に組み合わせて構成されていることを考えれば、十分納得のいく価格といえるだろう。静音性だけならともかく、この高性能でこの静音性というバランスは、数年前の感覚では想像できないレベルにある。仮にもっとコストをかけたとしても、他ではなかなかこのクオリティの製品を入手するのは難しいのではないだろうか。
新世代のCPUが投入されたばかりだが、この世代は既存の技術を洗練させるアプローチで性能を引き上げているだけに、新技術につきまとう不安は少ない。PCの新規導入、リプレースをするのには都合が良いタイミングだ。高性能志向だからと静音性を諦めていた人にもぜひ注目してほしい。
ちなみに、サイコムでは、Crucial製の525GB/1050GB SSDが5000円引きになるキャンペーンを実施中で、これらを選択した構成がおすすめだ。
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