サイコムのRadiant VXシリーズは、スタンダードなミニタワー型PCシリーズだ。microATXフォームファクターを採用しており、ベースモデルそれぞれに豊富なBTOメニューが用意され、予算や好みに合った構成でオーダーできる。
BTOの選択肢はミドルレンジを中心にローエンドからハイエンドまで幅広くカバーする内容で、最新パーツが登場すればそれも随時選択可能になっていく。最近では、NVIDIAのPascal世代のGPUやAMDのPolaris世代のGPUを搭載したカードも用意されている。
今回は、開発コードネーム「Skylake」こと第6世代CoreとIntel Z170/H170チップセットを搭載する「VX2500Z170」のミドルレンジ構成を評価機として入手した。その内容や性能を検証しよう。
標準ケースとして採用しているPCケース「CORE 1550S」は、Fractal DesignのmicroATXケース「CORE1500」をベースにサイコムオリジナル仕様にカスタマイズしたものだ。Fractal Designの製品は、品質の良さと独特の上質感のあるデザインからPCパーツ市場でも人気が高い。
具体的な寸法は、195(幅)×450(奥行き)×380(高さ)mmと、microATXとしては標準的なサイズだろう。手回しネジ2つを外すことで側板のみを外すことが可能で、簡単に内部にアクセスできる。拡張性も十分で、5インチベイを2基、3.5インチシャドウベイを4基装備しつつ、長いグラフィックスカード(380ミリまで)も搭載できる。
天板はサイコムの独自仕様だ。市販品は排気口があるタイプから穴がないタイプへ変更している。市販品は構成の自由度を考慮する必要があるため天板に水冷ラジエータを搭載できるように排気口を設けているのだが、水冷クーラーを使わないのであれば、穴がないほうが密閉度が高まるため静音性で有利だし、ゴミやホコリが入り込むこともない。つまり、Radiant VXに最適化した変更であり、これによりシステムとしての完成度がグッと高まっているといえる。
また、底部に装着しているインシュレータもサイコムオリジナルだ。制振性を高めるとともに、見た目もグレードアップしている。さらに、側面の排気口部分には防塵フィルタを装着できる仕様(フィルタはオプション)としている点もメンテナンス性にこだわるサイコムらしい部分といえる。
なお、BTOでは、PCケースを変更することもできる。Fractal DesignのARC Mini R2 Windows BlackやCooler MasterのSilencio 352、Corsairの350D Windowedといった製品が選択肢として用意されている。
基本スペックは、BTOで柔軟にカスタマイズしてオーダーすることが可能だ。このRadiant GZ(GZ2500Z170)では、第6世代CoreとZ170(またはH170)チップセット搭載マザーボードの組み合わせがベースとなっている。
CPUの選択肢は、標準構成ではCore i3-6100だが、第6世代Coreの最上位モデルであるCore i7-6700Kから、ローエンドのPentium G4500まで、多くのモデルを選ぶことが可能だ。評価機ではCore i5-6400を搭載していた。
マザーボードは、Intel Z170 ExpressチップセットまたはIntel H170 Expressチップセットを搭載したマザーボードの中から選ぶことができる。標準構成ではZ170チップセットを搭載したASRockの「Z170M Pro4S」だが、評価機は、同じくASRockのH170チップセットモデル「H170M Pro4」を搭載していた。このマザーボードにはUSB Type-Cポートがない点が少し惜しいが、USB Type-Cポートが欲しければ、BTOでASUSTeKのZ170M-PLUSやMAXIMUS VIII GENEなどを選べばよいだろう。
グラフィックス機能は、標準ではCPU内蔵グラフィックスだが、BTOではグラフィックスカードを追加することが可能だ。ローエンドからハイエンドまで選択肢は幅広く、AMDのFire ProやNVIDIAのQuadroなど、クリエイティブ/エンジニアリングのプロユースのGPUを搭載したカードまで用意されている。また、MSIの「GeForce GTX1060 GAMING X 6G」、ASUSTeKの「STRIX-GTX1070-08G-GAMING」といったように、単体市場で人気の高いモデルを指定することもできるのはサイコムのPCならではだ。
評価機ではmanliブランドのNVIDIA GeForce GTX1060(グラフィックスメモリ6Gバイト)搭載カードを採用する。GeForce GTX1060はPascalアーキテクチャを採用したミドルレンジのGPUだが、先代にあたるGeForce GTX960から大幅にパフォーマンスアップ。先代のハイエンドであるGeForce GTX 980に匹敵するほどの高いパフォーマンスをミドルレンジの消費電力で実現している。
構成パーツもBTOシステムで柔軟な構成が選べる。メモリはPC3-17000 DIMMを採用しており、最大64GBまで搭載可能だ。
データストレージは、2.5インチSSD、M.2 SSD、3.5インチHDDから2台まで選べる(評価機の構成ではマザーボードが非対応のためM.2 SSDは搭載できない)。ブランドの指定も可能で、評価機ではCrucialブランドの275GBのSSD(CT275MX300SSD1)を搭載していた。
ミニタワーだが、光学ドライブも搭載可能で、DVDスーパーマルチドライブとBD-REドライブが選べる。こちらもそれぞれブランドの選択肢が用意されている。
OSは標準では付属せず、オプションだ。Windows 10 Home/Windows 10 Pro、それぞれ64bit版と32bit版が選択できる。
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