AMDが、いよいよ高性能デスクトップCPU市場に殴り込みをかける。同社は、まったく新しいCPUアーキテクチャとして開発を進めてきたZENコアを採用する、開発コード名“Summit Ridge”(サミット・リッジ)こと「RYZEN」初の製品として、8コア/16スレッドを実現する「RYZEN 7シリーズ」を、米国時間の3月2日に500ドル以下の市場価格で投入することを明らかにした。
AMDを率いるリサ・スー社長兼CEOは、2月21日、米カリフォルニア州サンフランシスコで開催された記者向け説明会において、RYZEN 7シリーズのラインアップを発表するとともに、そのパフォーマンス指標も公開した。RYZEN 7シリーズのラインアップと概要は下記の通り。
型番 | RYZEN 7 1800X | RYZEN 7 1700X | RYZEN 7 1700 |
---|---|---|---|
コア/スレッド | 8コア/16スレッド | 8コア/16スレッド | 8コア/16スレッド |
ベースクロック | 3.6GHz | 3.4GHz | 3.0GHz |
Boostクロック | 4.0GHz | 3.8GHz | 3.7GHz |
TDP | 95W | 65W | 65W |
このうち、下位モデルのRYZEN 7 1700のみAMD純正CPUクーラーである「Wraith Cooler」が付属する。
AMDは、高性能CPUが新しいユーザー体験を加速すると考え、ゲームやコンテンツ制作だけでなく、VR、科学演算やクラウド・データセンター市場へも通用する新CPUの開発を進めてきた。そのスタートは、わずか4年前。その間に、Bulldozerアーキテクチャの最終版となったExcavatorコアに比べて、クロックあたりの演算性能(IPC:Instruction per clock)を40%以上向上させるという、とうてい実現できそうもないゴールを目指し、Zenコアを開発してきた。しかし、スー氏は量産化にこぎ着けたRYZENでは、当初の計画を上回る、52%もの性能向上を果たし、再び高性能CPU市場で戦える体制を築き上げた。
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