ヤマト運輸とともにAmazonプライムも値上がりする?ITはみ出しコラム

» 2017年03月12日 06時00分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 アマゾンジャパンのほとんどの配送を請け負ってくれているヤマト運輸が、2017年9月末までに配送料金を全面的に値上げする検討に入ったというニュースが話題になっています。値上げと聞くと敏感に反応してしまいがちですが、今回の件は「無理もないなぁ」と思った方も多いのではないでしょうか。

 ネット通販の普及とともに配達量やその再配達回数が増加したことで、配達員らの人手不足が深刻化するなど、宅配便事業者が大変な状況にあることをしばしば耳にするからです。また私は実体験としても、宅配業者の現場がつらそうな様子に出くわしたことがあります。

 Amazon.co.jpでは年会費3900円(税込)を支払うことで「Amazonプライム会員」になれます。会員になると、荷物の「お急ぎ便」や「お届け日時指定便」がいつでも使い放題です。また、動画の見放題や音楽の聴き放題、写真用の容量無制限クラウドストレージ、月1冊の電子書籍プレゼント、会員限定セールなど、さまざまな特典が受けられます。

prime 1 Amazonプライム会員になると、荷物の「お急ぎ便」や「お届け日時指定便」がいつでも使い放題になります

 私はいろんな映画やドラマが見放題の「プライムビデオ」が日本で使えるようになった2015年8月ごろ、このプライム会員になりました。そして、いつものように書籍を購入したのですが、いつも元気な配達員さんが疲れた顔で購入した日の夜に届けてくれてびっくりしました。

 特に急ぎでもなかったのに、プライム会員だと初期設定がお急ぎ便になっているので、知らずにそのまま使っていたのです。こうしたお急ぎ便が増えると、配達員さんの負担も増えることは想像に難くありません。なので、それからはお急ぎ便をなるべく使わないようにしています。面倒なのですが、注文の度に配送方法を「お急ぎ便」から「通常」に変更しているのです。

 もっとも、通常配送でも大抵は2日後くらいには届くので、ほとんど問題ありません。確定申告用の書類を印刷しようと思ったらA4用紙が足りなかったという緊急時に、久しぶりにお急ぎ便を選択したくらいです。

prime 2 注文の度に配送方法を「お急ぎ便」から「通常」に変更しています

 お届け日時指定便が使い放題という特典もほとんど使いません。自宅に宅配ボックスがあることに加えて、今や在宅仕事なのでほとんどいつでも荷物を受け取れるからです。

 「そんなことじゃ、プライム会員でいる意味ないじゃん」と思わなくもないですが、年額3900円ならまあ、プライムビデオを年間10本くらい見れば元は取れるし(もちろん他にも多くの特典がありますが……)、いざというときの心の保険的なものでもあります。

 でも、ヤマト運輸がアマゾンジャパンに対して値上げしたら、それがプライム会費の値上げにつながるかもしれません。

 そもそも日本のプライム会費は米国に比べて半額以下という不思議なことになっています。米Amazon.comは2005年に年会費79ドル(約9000円)でプライムサービスをスタートさせましたが、2014年には99ドルに値上げしました。日本でのプライムはスタート段階から米国に比べてかなり安いうえ、米国で値上げしてから数年たっても値上げしていません。

 日本でのプライム立ち上げ当初は、米国にあって日本では使えないサービス(プライムビデオもその1つ)も結構あったことから、かなり安い価格で提供することにしたと考えられますが、今では特典の差はほとんどないんじゃないでしょうか。

prime 3 日本のプライムのサービス一覧

 もう一つ気になることがあって、それは2016年12月にアマゾンから、プライムの価格についてのアンケートを受けたという知り合いがいるのです。これも、値上げの予兆かもしれません。

 「はて、いくらくらいまでなら会員でいてもいいだろうか」とちょっと考えます。米国と同じレベルになるとしたら、99ドル=約1万1400円です。月額1000円以下と思えばそれほどでもなさそうな……でも私がたまに使っているプライムビデオだけではとても元は取れそうにないです。

 ちなみに、Amazonメキシコは3月9日(現地時間)、メキシコでもAmazon Primeの提供を開始していて、こちらの会費は年額899ペソ(約2000円)とかなりお手頃です。ただし、使えるサービスは2日配送とプライムビデオ、プライム価格の特別商品提供だけと、かなり限定されています。

 きっと、市場ごとに最適な価格設定をちゃんと考えているんですね。仮に日本のプライム会費を値上げするとしても、現会員が「退会しなくてもいっか」と思うような、絶妙な価格にするんでしょう。そう願っています。

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