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批判から一転? トランプ大統領を祝福するAmazonのしたたかさITはみ出しコラム

» 2017年01月22日 06時00分 公開
[ITmedia]

 大統領就任式も終わり、ついにドナルド・トランプ氏が米45代大統領になりました。これまでバラク・オバマ氏の公式Twitterアカウントだった「@POTUS」は既にトランプさんのものになりました。最初のツイートは、自分のFacebookページに掲載した就任式演説全文へのリンクでした。

trump 1 @POTUSも新しくなりました

 この就任式の演説は、米国での雇用創出、強いアメリカの復活(Make America great again)を強調するものでした。

 米国での雇用創出と言えば、Amazon.comが1月に「米国で10万人の雇用を創出する」と発表したのはお見事でした。選挙期間中、トランプさんとAmazonのジェフ・ベゾスCEOがお互いをディスってたのは有名な話です。でも、トランプさんが次期大統領になることが決まったら、べゾスCEOはあっさりと「おめでとう!」とツイートしました。大人です。

 そして、Amazonの10万人雇用の発表に対し、(トランプさんが直接ではありませんが)政権移行チームとしては「喜ばしいこと」とコメントしています。ベゾスさんもトランプさんも、あきんどとして、すがすがしいほどにブレてません。「ビジネスファースト」で考えれば、2人とも当然の行いです。

 ベゾスさんはだからといって、新大統領におもねるつもりもありません。トランプさんは以前から、ベゾスさんが米メディアのWashington Postのオーナーであることについて、「メディアを政治的圧力に使っている」などと批判していました。しかし、ベゾスさんはこのメディアを買い取ったとき、報道方針には一切口を出さないと約束していて、それを守っているように見えます。

 実際、Washington Postはトランプさんが次期大統領に決定した後も、批判的な記事をたくさん掲載しています。例えば、トランプ大統領が就任式で何を言い出すか分からないので生徒に就任式を見せないことにした教師の記事とか。就任後も、新しくなった連邦政府の公式サイトに掲載されたファーストレディの紹介ページにメラニアさんのモデルとしてのキャリアが紹介されてるのが“異例だ”という記事とか……。

 今後、トランプさんは米国で雇用創出に大きく貢献するベゾスさんが持つWashington Postを攻撃するかどうか、興味があります。

 ところで、ベゾスさん、最近ワシントン D.C.にゴージャスなお家を購入したそうです。しかも、トランプ政権で重要な役割を担う予定である娘のイヴァンカ・トランプさん夫妻の家から数ブロックのところに(余談ですが、ホワイトハウスを後にした前大統領、オバマさんの家族も近所にお引っ越ししたばかり)。

trump 2 ベゾスさんの新居Washington Postの記事より

 大富豪のベゾスさんは全米にお家を持っていますが、ワシントンの新居ではイヴァンカさんとのご近所づきあいで親交を深める意図もあるかもしれません。

 ベゾスさんに限らず、今後も米大手企業のCEOがトランプ新大統領にどう対応していくのか注目です。

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