NASに保存したファイルを過去のバージョンに自在に復元する方法(3/3 ページ)

» 2017年03月28日 20時00分 公開
[山口真弘ITmedia]
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データの復元はどうやるの?

 それでは実際にスナップショット(およびその複製)からファイルを復元するにはどうすればよいだろうか。今回は「Snapshot Replication」のホーム画面から利用できる「復元」メニューを使ってみよう。

 手順は簡単で、メニューから「復元」を選んで対象の共有フォルダを選び、あとは復元したいバージョンを選んで「インプレース復元」=上書き保存を選択するだけだ。もし現状のフォルダはひとまずそのままにしておきたい場合は「新しい名前でクローン」を選択すれば、復元先の共有フォルダを新規に作成するための画面が表示される。復元の完了後、2つのフォルダの内容をよく見比べて、必要なファイルだけを取り出すなどの措置を行えばよい。

左メニューから「復元」を選択して対象の共有フォルダを選び、「復帰」をクリック

履歴がずらりと表示されるので、任意の履歴を選択した状態で「操作」→「インプレース復元」を選択する

確認メッセージが表示されるので、問題なければ「OK」をクリック

復元が実行された。ファイルを削除もしくは改変していた場合、選択した時点の状態に戻っているはずだ

「参照」をクリックしてFile Stationで個別のファイルを表示し、取り出すことも可能だ

 このほか、過去のファイルを取り出す操作は、Windowsのエクスプローラや、NASアプリ「File Staiton」から行うこともできる。適切なアクセス権限を設定しておけば、Windowsのエクスプローラで各フォルダの下に作られている「#snapshot」フォルダから取り出すこともできるので、管理者の手をわずらわせることなく、古いファイルを取り出せるというわけだ。

「Snapshot Replication」を快適に行うためには

 ところで実際の運用にあたって気をつけたいのは、スナップショット機能では、共有フォルダ全体が対象となることだ。そもそもスナップショット機能は、特定日時の共有フォルダの状態を復元し、そこからデータを取り出すという仕組みなので、一般的なバックアップ機能のように共有フォルダの中にあるフォルダ個々を指定できないのは当然なのだが、共有フォルダ全体で何TBという容量があると、作成したスナップショットを複製する際、送信だけで数日かかってしまうことも珍しくない。

3.7TBを使用中の共有フォルダを複製しようとしたところ、ネットワーク経由だと4日かかると表示された。NASの容量を考えると、このようなケースは頻繁に発生するだろう

 そのため、スナップショット機能を使うデータとそうでないデータがある場合、前者だけを独立した共有フォルダに分離させたほうが、初回の複製を実行する際の効率が良くなる。すでに運用中のNASでこうした階層構造を変えるのはなかなか大変なので、次にNASを買い替えもしくは買い増しをするタイミングで、意識的にフォルダ構造の変更を行うとよいだろう。

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