「Google Chrome」「Internet Explorer」「Safari」……。インターネットブラウザは数多くの種類があり、機能やデザインによってユーザーの好みは分かれる。
1995年公開の「Opera」も人気ブラウザの1つ、世界第6位のユーザー数を誇る。しかし、その創業者が2016年、新ブラウザ「Vivaldi」を開発した。乗り換えてしまうOperaユーザーもいるという。
つまりVivaldiは、Operaの創業者ヨン・スティーブンソン・フォン・テッツナー氏が、自らが過去に開発したブラウザに対抗するためのブラウザということになるのだが――。
Vivaldi開発の経緯、プロダクトの魅力、今後の展望について、ヨン・スティーブンソン・フォン・テッツナー氏と、もう一人の創業者、日本人の冨田龍起COOに話を聞いた。
Vivaldiは、創業者の古巣、OperaのユーザーがOperaに抱く不満を解消すべく開発されている。後ほど詳述するが、Vivaldiはブラウザを自分好みにカスタマイズし、効率的に使いたいネットのヘビーユーザーに最適だ。
2016年4月に公開されたVivaldiは、それからおよそ8カ月がたった2017年1月時点でユーザー数が100万人に到達。実は世界で日本が最もユーザーが多く、Vivaldiのユーザーベース拡大をけん引している。
ヨン氏と冨田氏はOpera時代の同僚。冨田氏は当時アジア市場開拓を担い、二人で各国に出張する際はテクノロジーや会社の将来について語り合っていた。ちなみに、ヨン氏は日本、特に秋葉原が好きでよく訪れていたという。
その後、Operaは上場し、冨田氏は2013年にOperaを退社。数年後、二人は冨田氏が暮らしていたサンフランシスコで再会し、新たな挑戦をしようと意気投合。そうして生まれたのがVivaldiであり、今ではOperaに対抗する存在となりつつある。
そんなVivaldiを開発した最大の理由は、Operaの開発方針が変わり、以前のようにユーザー目線に立ち、高機能なブラウザを開発する会社ではなくなってしまったからだという。
この方針変更については、ユーザーからも不満の声が挙がっていたそうだ。つまり両氏はこれまでの経験を踏まえ、過去の「やり残し」に取り組んでいることになる。
ちなみに「Vivaldi」という名は、イタリアの作曲家アントニオ・ヴィヴァルディに由来する。誰にとっても覚えやすく、また当時ヴィヴァルディの音楽は革新的とされており、自分たちも革新的なブラウザを作っていきたいという思いを込めて名付けたという。
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