おおよその構造を見た上で、両モデルに共通する仕様について把握しておこう。
新型iPad Pro本体との接続は、従来のSmart Keyboardと同様、独自規格であるSmart Connectorを使って行う。接続はマグネットによる吸着で、ワイヤレスのBluetoothと違って安定した信号のやり取りが可能になる。ペアリングなどの作業も不要で、充電も必要ない。
また、従来はiPad Proの側面(長辺側)にあったSmart Connectorが、新型iPad Proでは背面へと移動しているため、マグネットでキーボードと吸着するのは「iPad Proの側面」ではなく「iPad Proの背面」へと変化している。実質的には、面と面とを貼り合わせる格好だ。
カバーを展開した状態からの折りたたみ方も、以前とは全く異なっている。従来はiPad Proの画面の上にSmart Keyboard本体を二層にたたんで乗せる構造ゆえ、背面は素の状態だった。加えて、たたんだ状態では、完全な二層構造になっているのは全体の2/3ほどで、段差ができるいびつな外見だった。
これに対して今回の製品は、シンプルに新型iPad Proを表と裏から挟み込む構造ゆえに段差もなく、見るからにベーシックなカバーといった外見だ。一方で、折りたたみ方を変えることでスタンド状に変形させる前モデルのギミックは廃止されており、用途に応じて組み方を変えることはできなくなっている。シンプルに角度を2段階(約112度と約124度)に変えられるだけだ。
なお、キーボードが新型iPad Proと接続状態にあると認識されるのは、iPadの下端が、本製品の溝にマグネットで吸着している間だけだ。それ以外だとキーは無効化されるので、キーボード面を背中側に折り返した状態でキーが指に触れても、誤入力されることはない。
それゆえ、本製品を取り付けたまま両手でホールドしても、画面に勝手に文字が入力されてしまうことは起こりえない。握った状態では背面のキーに指が触れてしまうことに違和感はあるとはいえ、このあたりはさすがによく考えられていると感じる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.