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「世界最軽量」よりも「バランス」――LAVIE Pro Mobileの新たなる挑戦(2/3 ページ)

» 2019年05月15日 13時20分 公開
[井上翔ITmedia]

カーボン天板を採用し剛性をアップ

 従来のLAVIE Hybrid ZEROでは、天板に鍛造マグネシウムリチウム(Mg-Li)合金を採用していた。このことは軽量化に一定の効果がある反面、剛性感(強度)の確保が難しい。

 そこで、LAVIE Pro Mobileでは、東レが開発した新構成のカーボン素材を天板に採用。この素材の比重(体積あたりの重量)は、従来のMg-Li合金と比較しておよそ半分。つまり天板の重量を据え置きつつも厚みを2倍にできるということだ。実際、そのようにして剛性をアップしている。

 素材を変えて天板厚を2倍にしたこともあり、点加圧耐性とねじり耐性は従来比で約2倍に向上。面耐圧150kgf(重量キログラム)を確保し、高さ76cmからの落下試験に耐えていることは従来通りだ。

カーボンです 天板の素材は鍛造Mg-Li合金からカーボンに変更。重量据え置きで厚みを2倍とし、剛性をアップした
タックルデモ 剛性の向上で強度もアップしたことをアピールすべく、発表会ではNECのラグビーチーム「NECグリーンロケッツ」の大和田立(たつる)選手が実機めがけてタックルするデモも行われた

 Web直販モデルで選択できるタッチ液晶構成では、画面全体が強化ガラスで覆われている。先代のHybrid ZEROでは、軽量化を優先して「インセル液晶ディスプレイ」(タッチセンサーを埋め込んだ液晶ディスプレイ)を採用していたが、「剛性の確保を優先した」(関係者)ことから、今回はガラスパネル付きとしたそうだ。

 なお、タッチ液晶構成の重量は約941g。タッチ非対応モデルと比べて若干重めになっているが、この点にも「世界最軽量」よりも「実用性」を優先する姿勢が垣間見える。

タッチ非搭載モデルとタッチ搭載モデル 店頭販売モデル(左)と、Web直販限定で販売されるタッチ液晶搭載モデル(右)。剛性確保の観点から、タッチ液晶モデルの画面はガラスパネルで覆われることになった

ノイズを極力排除したデザイン

 今回のLAVIE Pro Mobileでは、デザインの決定面でも従来と異なる面がある。

 従来の製品では、開発部隊と議論をしてから商品企画に取りかかることが多かった。それに対し、今回はデザイナーと一緒にコンセプトモックアップ(構想模型)を作成した上で、それを開発部隊に見せて「これを作りましょう」と提案すうる形態を取ったという。結果、「モックアップとほとんど同じデザインで」(森部氏)製品化できたそうだ。

 そんなLAVIE Pro Mobileのデザインは「フラットサーフェイス(平らな表面)」、「ノイズレスデザイン(余計な要素を極力見せない)」「ナローベゼル(狭額縁)」「薄型」を丁寧に追求したもの。従来のHybrid ZEROと比較して、見た目は非常にスッキリしている。

排気口 実機をほぼ180度開いて立て掛けて撮影。排気口(矢印)は、使っている人からは見えないようにデザインされている
左側面右側面 左右の側面も、ボディーの境界を極力見せないデザイン。文字やアイコンも目立ちすぎないようにする配慮が伺える

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