高校生たちが青春をかける熱き戦い――「第2回全国高校eスポーツ選手権大会」決勝戦レポート武器は「マウス」と「キーボード」(2/3 ページ)

» 2019年12月30日 18時00分 公開
[渡辺まりかITmedia]

リーグ・オブ・レジェンド部門

 ロケットリーグ部門のトーナメントの翌日の29日には、リーグ・オブ・レジェンド部門の決勝トーナメントが行われた。

 リーグ・オブ・レジェンドは、ほぼ四角いマップの対角線(右上と左下)上にあるそれぞれの陣地からトップ(TOP)、ミッド(MID)、ボット(BOT)レーンを移動し、敵陣地にある「Nexus」と呼ばれる本拠地を破壊することが勝敗の決め手となる。

 この部門では全国から119チームが参加し、A〜Dまでの各ブロックで勝ち残ってきたそれぞれのチームが決勝トーナメントに臨んだ。リーグ戦を勝ち抜いてきたのは、Aブロックからは東京都の「クラーク記念国際高等学校 秋葉原ITキャンパス Yuki飯食べ隊」、Bブロックからは愛知県の「豊田工業高等学校 豊工LOL組(ロルぐみ)」、Cブロックからは沖縄県の「N高等学校 ネット学習コース KDG N1(ケーディーエヌ エヌワン)」、Dブロックからは神奈川県の「横浜市立南高等学校 The Grateful Feed(ザ グレイトフル フィード)」の4チームだ。

リーグ・オブ・レジェンド決勝トーナメント リーグ・オブ・レジェンド部門の決勝トーナメント表

 試合に先立ち、デジタルアイドルグループ「 22/7(ななぶんのにじゅうに)」から白沢かなえさんと帆風千春さんの2人が大会応援サポーターとして登場。スペシャルサポーターのケイン・コスギさん、アナリストのiSeNN(アイセン)さん、前日から司会を務めていたOooDa(オーダ)さんとともに試合を盛り上げた。

ステージでのトーク 左からOooDaさん、白沢かなえさん、帆風千春さん、ケイン・コスギさん、iSeNNさん

準決勝

 準決勝の第1試合はKDN N1とThe Gratefil Feedが、第2試合はYuki飯食べ隊と豊工LOL組が決勝戦進出を目指して戦った。

 第1試合では、KDN N1チームが、倒せば試合に有利になる「ドラゴン」を討ち取り、その後もゲームを優位に進めつつ、リーダーであるまりも氏をメンバー全員で支えるプレイスタイルで、The Gratefil Feedチームに勝利した。

 第2試合では、Yuki飯食べ隊が「いつもどおり」(リーダーのFunahwi選手)試合を進め、ゲーム中盤で豊工LOL組のアヒージョ選手が攻勢をかけるも、Funahwi選手の圧倒的な強さのもと、Yuki飯食べ隊が勝利をもぎ取った。

準決勝第1試合 準決勝第1試合のKDN N1とThe Gratefil Feedの対戦の模様
準決勝第2試合 準決勝第2試合のYuki飯食べ隊と豊工LOL組の対戦の模様

まさかの“大どんでん返し”が起こった決勝戦

 準決勝戦から少し休憩を挟んで行われた決勝戦。第1試合の勝利チームであるKDG N1と、第2試合の勝利チームであるYuki飯食べ隊の対戦が行われた。

 決勝戦は「Best of 3」、つまり2試合を先取したチームが優勝、というルールだ。KDN N1は、準決勝とは異なり、サポーターにShakeSpeare氏を配置。「今まで試合に出ていなかったメンバーに入ってもらうことで、敵を撹乱したい」(まりも選手)という狙い通り、Yuki飯食べ隊側に少しの混乱が見られた。しかし、Yuki飯食べ隊は途中から立て直し、巻き返した。

 とはいえ、ゲーム終盤で、Yuki飯食べ隊が「バロン」を倒しに行ったすきを突き、KDN N1が敵陣地の深くまで入り込み、Nexusを破壊。決勝戦第1試合はKDN N1が制した。

決勝第1試合 決勝第1試合の様子

 Yuki飯食べ隊にとって後がない第2試合。Yuki飯食べ隊はチャンピオン(※1)をピック(※2)する段階で、確実にKDN N1の得意とするチャンピオンをバン(※3)していった。

(※1)ゲーム内でプレイヤーが操作するキャラクター
(※2)チャンピオンを選択すること
(※3)試合相手が使えないチャンピオンを指定すること。これにより、相手プレイヤーが得意なチャンピオンを封じ込められる

 相手が得意なチャンピオンを確実にバンした上、4体の「ドラゴン」全てを手中に収めことで「2試合目はYuki飯食べ隊の勝利か?」と思われた。しかしその瞬間、敵陣に進入するまりも選手をメンバーが全員で守り、あっという間にNexusを破壊し、KDN N1が優勝を決めた。

決勝第2試合 決勝第2試合の様子
トロフィーを掲げるKDN N1チームの皆さん 優勝トロフィーを掲げるKDN N1チームの皆さん

 試合中、ステージ上からはチームメンバー同士のボイスチャットが聞こえてきたが、時には冷静に、時には熱く指示を出していく両チームのリーダーの声が印象深かった。

まりも選手 KDN N1のリーダーを務めたまりも選手。チームメンバーの誰もが「彼の強さを信じ、ついていった」と勝因を語っていたのが印象的だった
観客席の様子 盛り上がる675人の観客たち。関係者だけでなく、両チームのことを全く知らない人たちも熱く応援していた
リーグ・オブ・レジェンド部門の決勝トーナメントのダイジェストムービー(ドスパラチャンネルより)

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