このSQ2は、IFA 2020でQualcommが発表した「Snapdragon 8cx Gen 2 5G」がベースとなっていると同氏は指摘する。比較する実機がないのでQualcomm自身のデータとなるが、Snapdragon 8cx Gen 2 5GではターゲットとしているIntelの第10世代Core i5プロセッサと比較して、半分の消費電力でパフォーマンス面は18%上回るとしており、同価格帯のPCにおけるミドルレンジのやや上位のポジションあたりを狙っているとみられる。
なお、この「Surface Pro X 2」が「Carina」と呼ばれていた製品とみられる。WalkingCatが触れているが、これに対してボーデン氏も肯定しており、3つの開発コード名で呼ばれている製品の概要がまとまりつつある。
ただ、現状でSurface Pro X 2がブレイクスルーを起こすのは難しいと筆者は考えている。Arm PCはヘビーユーザーでなければ問題ないパフォーマンスには達していると考えるが、アプリケーション面では32bitのx86コードしかエミュレーション動作させられず、64bitのアプリケーションはArm64のネイティブコードを現状で要求する。
将来的に64bitアプリケーションのエミュレーション対応もうわさされるが、早くとも2020年時点で実装されることはないだろう。また、Snapdragon 8cx Gen 2 5Gでのセールスポイントの1つとなる5G対応だが、少なくとも日本国内ではインフラがまるで整っておらず、4G LTEとの差別化が難しい。同時に、可搬性と価格面で優れた「Sparti」が同じタイミングで登場すれば、どうしても注目はそちらに移ってしまうだろう。Surface Pro Xのラインが注目を集めるようになるのは、もう少し先の話なのではと筆者は予想する。
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