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Windows 10Xの戦略変更と2画面デバイス「Surface Neo」の投入延期Windowsフロントライン(1/2 ページ)

» 2020年07月22日 06時00分 公開

 以前の連載で、2020年内に「Surface Neo」は登場しないという話題を紹介したが、2画面デバイスのSurface Neoとともに出荷されるWindows 10Xも、同様に2020年のタイミングでは登場しないことも同記事では触れている。

OSにWindows 10Xを搭載した2画面デバイス「Surface Neo」

 これについて、WindowsならびにSurfaceデバイスの開発責任担当者であるパノス・パネイ氏が公式Blogの中で、「Surface Neoの登場にはもう少し時間がかかり、Windows 10Xについても最初に搭載するデバイスは2画面ではなく“1画面”のものが先行することになる」と認めている。

 だが最新の報道によれば、Windows 10Xのリリースはこの時点での予定よりもさらに遅れる見込みで、Surface Neoなど2画面デバイス対応については、2022年と再来年まで持ち越しになる見込みだという。Windows 10Xについては、さらに「Win32サポート」も外される可能性が示唆されており、当初想定していた「Windows 10を異なるカテゴリーのデバイスでも動作させるOS」ではなく、「特定の用途に特化したWindows 10のサブセット」に近い位置付けとなりそうだ。

Windows 10X Windows 10Xのイメージ画像

Win32サポートの消えたWindows 10X

 この話は、ZDNetでメアリー・ジョー・フォリー氏が「Microsoft plans for single-screen Windows 10X rollout in spring 2021; dual-screen in spring 2022」のタイトルで報じている。

 同氏が自身の情報源からの話題として伝えているのは、当初の見込み通り2021年に登場するのはWindows 10Xを搭載した“1画面デバイス”であり、公式にはこれがWindows 10Xの正式リリースとなる。Surface NeoなどOEM製品を含む2画面デバイスの登場は2022年となり、当初予告から2年近く遅れることになる。

 一方で、Surface Neoの片割れとなる「Surface Duo」については2020年夏時期での前倒し投入が見込まれており、Microsoftが提案する2画面デバイスを活用したアプリケーションやサービスの数々は当面、Androidを搭載したSurface Duo上で実現される見込みだ。

 “1画面デバイス”を先行投入するMicrosoftの意図としては、ビジネスや教育用途などでも、レガシーアプリケーションのような特にフルのデスクトップ環境を必要としないユーザーを対象に、Windows 10Xをアピールしていく計画のようだ。

 かつての「Windows 10 S」が想定される施策だが、いわゆるファーストラインワーカーなど特定のアプリのみを利用するケースであったり、教育用途で「ユーザー(生徒)に勝手に環境をいじらせない」といったりした限定利用で、効果を発揮すると考えているようだ。

 このWindows 10Xについて、1つ重要な新情報がある。Windows Centralでザック・ボーデン氏が報じているが、少なくとも2021年時点でリリースされるWindows 10Xは「Win32」をサポートしないという。

 かつて「Desktop Bridge(Project Centennial)」の名称で、レガシーアプリケーションのフロント部分はUWPにしつつも、Win32 API自体は継続サポートすることで互換性を維持していたMicrosoftであり、Windows 10の機能制限版であるWindows 10 Sにおいても当然ながらWin32 API自体の利用の制限は行ってこなかった。

2017年に語られていたDesktop Bridgeの概要

 これにより、Windows 10Xは「サブセット版」の性格がより強くなったといえる。その理由についてThe Vergeでトム・ウォーレン氏は「パフォーマンス上の問題を解決できなかった」という関係者の声を紹介している一方で、冒頭のレポートでジョー・フォリー氏は「まだMicrosoftはWindows 10XへのWin32導入を諦めていないとも聞いている」としており、2022年以降のターゲットについての情勢は未知数という状態にある。

 「Windows 10Xの当初のターゲットを、クラウド利用を重視したものにする」とはパネイ氏も自身のBlog投稿で触れており、発表前に当初うわさされていた「Chromebook対抗」をより意識した製品となる。

 用途をビジネスや教育向けとしているが、実際には「低価格ノートPC」としての販売形態がメインになると思われ、OSのライセンス料金を無料、またはそれに近い状態にしつつ、PCのハードウェア自体のスペックを思い切り引き下げることによって、現状の4〜5万円がボトムラインになっているノートPCの販売価格を、もう1段階引き下げることを期待しているとみられる。

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