連載
» 2020年09月23日 11時00分 公開

爆死したはずのPC周辺機器が忘れたころに「再デビュー」してくる裏事情牧ノブユキの「ワークアラウンド」(2/2 ページ)

[牧ノブユキ,ITmedia]
前のページへ 1|2       

模倣製品、スピンアウト、担当者のリベンジも

 以上が再デビューの基本的な流れなのだが、イレギュラーなパターンもかなりある。

 まずは、かつてと同じ製品と見せかけて、実はライバルメーカーが作った模倣製品だったというパターンだ。つまり海外A社が日本市場に売り込んで爆死して撤退した後に、そのA社そっくりの製品を作ったB社が「A社は日本市場に手を付けていないからイケる」と勘違いして売り込むという、どちらにとっても不幸なパターンである。

 これとよく似たケースとして、模倣製品に見えるが実は直系の後継製品だったというパターンもある。元の製品を手掛けていた開発者がスピンアウトして会社を立ち上げ、元メーカーから権利を買い取って製品化にこぎつけた品であり、実は中身は同じというケースだ。実際に中身はそのままで、以前のドライバを入れたら動いてしまうことすらある。

 国内メーカーの担当者が、意図的に再デビューを試みるケースもある。とあるメーカーでその製品を仕入れてデビューさせたものの、販売にあたって社内で協力体制が得られずに失敗。しかしながら「売れる」という自分の直感を証明するために、転職先の別メーカーで同じ製品を仕入れてリベンジしようとするわけである。以前の会社への恨みが原動力になっているケースだが、この手のパターンで売れたという話はやはり聞かない。

 この他、こうした再デビューが業界をまたいで発生することもある。具体的にはPC周辺機器メーカーからデビューして売れずに終息した製品が、代理店経由で文具業界に持ち込まれ、さも画期的な新製品のように販売されたりする。やり手のバイヤーであっても他業界まではウォッチできていないことが多いので、この手は意外と通用してしまったりする。

 以上、幾つかのパターンを紹介したが、その多くはコアの技術を持つ海外メーカーが、日本市場を諦めきれずにさまざまな販路にアタックすることで起こる。もしこうした既視感がある新製品を見かけたら、上記のどのパターンに当てはまる可能性があるのか、それを探ってみるのも一興だ。

著者:牧ノブユキ(Nobuyuki Maki)

IT機器メーカー、販売店勤務を経てコンサルへ。Googleトレンドを眺めていると1日が終わるのがもっぱらの悩み。無類のチョコミント好き。HPはこちら


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.