グラフィックスカードは先週の傾向がさらに強まり、GeForce GTX 1660やGeForce RTX 3060 Tiあたりのミドル級からRTX 3080などのハイエンド級にいたるまで多くのショップで品薄になっている。
Radeonも同様にミドル〜ハイエンドまで品薄な状況で、パソコンSHOPアークは「ハイエンドは元々品薄でしたが、ミドル級も年末年始のセールを経て潤沢とはいえない状況でした。そこに来てのマイニング需要なので、かなり厳しい状況にあるのは確かです」と語る。
ただ、品薄傾向はグラフィックスカードだけに止まらない。象徴的としてよく挙げられたのは、今週登場したMSIのRTX 3060 Tiカード「GeForce RTX 3060 Ti VENTUS 2X OCV1」だ。
1カ月前に登場した「GeForce RTX 3060 Ti VENTUS 2X OC」のマイナーバージョンアップモデルと言える製品で、補助電源が8ピン2基から1基に減り、カード厚が1cmに抑えられるなどの変更が施されている。価格は6万2000円強(税込み、以下同)だ。
某ショップは「GeForce RTX 3060 Tiカードが枯渇している中でありがたい新製品です。ただ、元のモデル(末尾の「V1」なし)から4〜5000円くらい上がっているんですよね。スリムになるなどの改良点はありますが、(PCパーツを作る上で欠かせない)半導体の価格アップが値上がりの主要因だと言われています」と明かす。
半導体の値上がりという話は、今週に入って複数のショップで聞かれるようになった。別のショップは「PlayStation 5などに半導体が取られていると、元々供給不足だったところで年末年始に無理をしたので、業界全体で相当数が足りていないみたいです。そこからくる値上がりなので、正直誰も制御できていません。ちょっと危険な状態だと思います」と話していた。
既に「DDR4メモリは32GBキットで数千円上がっています」(ドスパラ秋葉原本店)といったコメントもあり、グラフィックスカードに止まらずPCパーツ全般に影響が出ていることがうかがえる。状況が収まる時期を「少なくとも数カ月先の温かくなる頃。あるいは年内かかるかも」と漏らすショップもあった。
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