―― 法人向けといえば、「テレワークコレクション」というブランドを立ち上げて、特にWeb会議を中心とするテレワークで便利なソフトウェアやハードウェアの販売を強化していますよね。これも、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた動きなのでしょうか。
ソースネクスト テレワークコレクションは2020年4月から展開しています。おっしゃる通り、新型コロナウイルスの感染拡大が問題となる中で、テレワークに役立つアイテムを単品、あるいはセットにして販売しています。「自宅(在宅)」「オフィス」など、複数の切り口からさまざまなアイテムを提案するような形ですね。
世の中が一気に変わっていく中で「私たちにできることは何だろうか?」と考えた際に、既に弊社が取り扱っている商品を従来とは異なる切り口から紹介することで、テレワークの推進につながるだろうと考えました。もちろん、自社ではまかないきれないものもあります。そのようなものは自社で新たに開発をしたり、Meeting OWL Proのように国内外のパートナー企業の商品を持ち込んだりといった形で対応しています。
エンドユーザーにとって(テレワークに)役立つ商品を紹介しようという観点に立ちました。
―― テレワークコレクションでよく売れているものは何でしょうか。
ソースネクスト 先ほど紹介したMeeting OWL Proもそうですが、少し舌をかみそうな名前で恐縮なのですが「XSplit VCam(エクスプリット ブイカム)」というアプリが好評です。
XSplit VCamは、Webカメラの背景をリアルタイムで別のものに置き換えるアプリです。ZoomなどWeb会議アプリにも背景をぼかしたり置き換えたりする機能がありますが、それよりも強力なツールで、背景に動画を流すこともできます。動画はローカルにあるファイルはもちろんですが、YouTubeを使うことも可能です。個人ユーザーが購入するケースはもちろんありますが、法人からも問い合わせがよくあります。
企業の経営層から「社内のWeb会議で顔出しを強制してもいいのか?」という相談がよく寄せられます。企業によっては従業員がほぼ完全なテレワークとなってしまい、「会社や職場の一体感の醸成」や「帰属意識の軽薄化」を懸念しているようです。
そのような場合に、企業側がこのアプリを従業員に提供すれば、顔を“出す”ことに対する障壁が低くなります。そういう観点から、このアプリは法人向けにも提案しているところです。
Webサイトを背景にすることもできるので、サイトを見せつつ身ぶりを交えてプレゼンテーション、といった使い方も可能です。
―― テレワークコレクションの商品は、個人が自費で購入することが多いのでしょうか。それとも、企業が一括して買い上げたものを従業員に配布するケースもあるのでしょうか。
ソースネクスト 弊社のWebサイトを経由して購入されるのは、やはり個人のお客さまが中心です。法人のお客様がMeeting OWL Pro、あるいはソフトウェアをまとめて購入する場合は、弊社の法人営業、あるいは流通業者(ディストリビューター)を介した取引が多いです。
―― 2020年の初頭と、新型コロナウイルスの感染拡大が問題視された頃合い(3〜6月頃)では、Web通販サイトの売れ行きに変化はあったのでしょうか。
ソースネクスト トータルでは売り上げは良くなっています。(売れた商品の)内容を見ると、ポケトークは多少厳しくなった反面、テレワーク関連の商品がよく売れるようになりました。とりわけ、3月と4月は「いきなりPDF」「ウイルスセキュリティZERO」といった自宅の(仕事)環境を整えるためのスタンダードな商品がよく売れました。
同時期にはPC本体がよく売れたという話もあります。恐らく「家では仕事をしない!」としていた人も(やむにやまれず)家での仕事環境を整えざるを得なくなったのかもしれません。
―― PC本体といえば、PC本体もセットになった「いきなりテレワーク」という商品もありますよね。「PCごと欲しい」という声も少なくなかったのでしょうか。
ソースネクスト もちろんそのような側面はあります。「面倒なので本体とソフトがセットになったものを用意してくれ!」といった感じですね。爆発的に、というわけではありませんが、コンスタントに売れています。
―― 新型コロナウイルスの感染拡大後、既存製品で大幅に販売数が増えたものはあるのでしょうか。
ソースネクスト 先ほど挙げたいきなりPDFやセキュリティ関連ソフトもそうですが、意外な所では特打もよく売れるようになりました。
恐らく、「(自宅にいる)時間が増えたから改めてタイピングの練習をしよう」と考えた人が増えたのが主因だと思います。(学校が臨時休校となった)子どもの暇つぶし用に買い与えたという人もいるようです。
ポケトークを買って、家族全員で英会話のレッスンに使うというケースもあるようです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.