新ハードや新サービスには真っ先に飛び付くべきか メリットとデメリットを考える牧ノブユキの「ワークアラウンド」(1/2 ページ)

» 2021年06月29日 16時00分 公開
[牧ノブユキITmedia]
work around

 音声SNSの「Clubhouse」が突如としてブームになったのは記憶に新しい。もっともブームから数カ月が経過した現在、ネットで話題になる機会は激減している。Googleトレンドで見ると、ピークだった1月末時点に比べて人気度は数十分の1へと低下しており、あれだけあちこちで目にした「招待して」という声も、SNSでは全くといっていいほど見かけない。

 同サービスに人が殺到したのは、サービス自体への興味よりも、流行のサービスに乗っかっておかないと話題についていけなくなる、仲間から置いてきぼりになるという焦りがあってこそのものだろう。ブームが急速に沈静化したのも、長く続ける予定だったのがつまらないから辞めたのではなく、それらの「目的」を一通り達成したからと考えた方がつじつまが合う。

 これに加えて、早くユーザーになれば招待する側に回ることができ、仲間内でマウントを取れるという下心も、大きな原動力になっていたと推測できる。そうした人にとっては、早く参加することこそに意味があり、周囲が興味を失った今となっては、自分自身が続ける理由に乏しくなってしまったというわけだ。

 ところでこうしたオンラインサービスと同様、ハードウェアについても、新製品が出れば真っ先に手を出そうとする人は多い。毎回新しい製品が発表される度に購入の報告をしている人を見て、どこにそんな資金があるのかと、歯ぎしりしている人も多いだろう。

 こうした、真っ先に飛び付くことで得られるメリットとデメリットは、オンラインサービスとハードウェアとで違いはあるのだろうか。今回はこの両者を比較しつつ、具体的なメリットおよびデメリットを、それぞれ考察してみたい。

オンラインサービスは真っ先に飛び付くのがおトク

 先に結論を書いておくと、注目され始めている新しいオンラインサービス、中でも課金が発生するサービスは、運営元やサービス内容が怪しい場合を除けば、基本的に真っ先に飛び付くのが得だ。サービス開始直後は利用者を増やすのを目的にさまざまなキャンペーンが行われること、そして時間がたつにつれてその内容に制限が加わり、おトク度が低下していくことがその理由だ。

 ここ1〜2年の例でいえば、QRコード決済サービスや各種デリバリーサービスがそうだが、サービスイン直後は、ポイントなどの優遇措置から採算度外視のクーポンまで、派手なキャンペーンが矢継ぎ早に行われる。ネットでの肯定的な口コミを発生させることを目的に別枠で予算が組まれ、大盤振る舞いとなるケースも少なくない。最近だと、電子書籍ストアのリニューアルで行われた70%オフクーポンもその類だろう。

 もちろんこの代償として、トラフィック増でサーバがダウンして予定のサービスを受けられなかったり、あるいはUIが使いにくかったりと、サービスがこなれていないが故のトラブルが発生することもある。実店舗と連動するサービスであれば、店舗などに足を運んでからサービスを受けられないことが分かり、がっかりすることもあるかもしれない。

 しかしこの段階で悪評が広まれば、サービスの継続が難しくなることから、最終的に何らかの形で補填(ほてん)されることも多い(ゲームにおける「詫び石」もその一つだ)。またサービスの不備を突いて恩恵を被ることもあるので、トータルでマイナスになることはまずない。何よりサービスが軌道に乗ってしまえば、こうした大盤振る舞いで予算が組まれることは二度とないので、様子見する必要はないのだ。

 また冒頭で述べたClubhouseのように、それ自体への興味関心よりも、仲間外れになりたくないという不安がベースになっている場合でも、意固地になるよりさっさと参加してしまった方が気持ちは楽になるわけで、そうした意味でも早めに飛び付く意味はある。オンラインサービスにおいては、ユーザー登録が早ければ早いほど、お気に入りのアカウント名を確保できるという現実的な理由もある。

 これらをまとめると、話題のオンラインサービスでは、真っ先に飛び付くのが吉であり、「落ち着いたら使ってみよう」という考え方だと損をしがちだ。これらの法則が当てはまらないのは、不備があっても補填のしようがなく、悪評が出たところで今後の運営に痛くもかゆくもない、行政機関のオンライン申請サービスくらいかもしれない。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年03月12日 更新
  1. 10万円切りMacが17年ぶりに復活! 実機を試して分かったAppleが仕掛ける「MacBook Neo」の実力 (2026年03月10日)
  2. 「MacBook Neo」を試して分かった10万円切りの衝撃! ただの“安いMac”ではなく絶妙な引き算で生まれた1台 (2026年03月10日)
  3. 新型「MacBook Air」はM5搭載で何が変わった? 同じM5の「14インチMacBook Pro」と比べて分かったこと (2026年03月10日)
  4. リュック1つで展示会セミナーの音響セット構築レポ 現場で得た“2.4GHz帯混信地獄”を生き抜く教訓 (2026年03月11日)
  5. セールで買った日本HPの約990gノートPC「Pavilion Aero 13-bg」が想像以上に良かったので紹介したい (2026年03月11日)
  6. 最新Core Ultra X7 358Hの破壊力! 16型OLED搭載で内蔵GPUがディスクリート超え!? Copilot+ PC「Acer Swift 16 AI」レビュー (2026年03月10日)
  7. 「iPhone 17e」実機レビュー! 9万9800円で256GB&MagSafe対応 ベーシックモデルの魅力と割り切り (2026年03月09日)
  8. 「GeForce NOW」がサービスをアップデート Apple Vision ProやMeta Questで最大90fpsのゲーミングが可能に (2026年03月11日)
  9. 出張や通勤で荷物が増えても安心な「ミレー ビジネスリュック EXP NX 20+」が27%オフの1万3865円に (2026年03月10日)
  10. 自作PCを売却して「Mac Studio」へ ローカルLLMサーバ移行で得られた驚きの“ワッパ”と安心感 (2026年03月09日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年