「WI-U3-1200AX2のパフォーマンスはどうなのか?」と疑問に思う人もいるだろう。そこで、少し古めのWindows 10 PCを使って通信速度を比較してみよう。使うPCの主なスペックは以下の通りだ。
その他、通信回りの条件は以下の通りとなる。
Wi-Fiルーターは、光終端装置兼ルーターの配下に置いて「アクセスポイント(ブリッジ)モード」で運用している。Wi-Fi 6利用時の理論上の最高通信速度は5GHz帯で1201Mbps、2.4GHz帯で574Mbpsと、WI-U3-1200AX2のスペックと同一だ(※3)。
(※3)2.4GHz帯の最高通信速度が1Mbps違うのは、バッファローとネットギアで小数点以下の数値の扱いに差があることが理由だと思われる
通信速度の計測は、Webブラウザから「Speedtest.net」にアクセスして行った。計測サーバは東京都文京区に設置されているという「IPA CyberLab」を選択し、マルチセッションでの通信速度をチェックする。
検証で利用するPCでは普段、USB 2.0接続のWi-Fi 5アダプターを挿して運用している。このアダプターで昼間時(12〜13時頃)に3回速度を計測した結果は以下の通りだ。
USB 2.0の理論上の最高通信速度は480Mbpsである。それに対して、このアダプターの理論上の最高通信速度は433Mbpsとなる。後に示すWI-U3-1200AX2での通信結果を見ると分かるが、このアダプターでは良い条件でも200Mbps弱の速度を出すのが限界だと思われる。
このPCのUSB 3.0ポートにWI-U3-1200AX2を接続し、昼間時(12〜13時頃)に5GHz帯で3回計測した結果は以下の通りとなった。
下りの速度は、Wi-Fi 5アダプターと大差がないことから、190Mbps弱という速度はインターネット回線(ISP)側の上限なのだと思われる。一方で、平均値同士の比較だが上りの通信速度はWi-Fi 5アダプターの約3.55倍となった。
自宅で接続しているWi-Fiクライアントの台数は常に20台を超えている。接続ポートが理論上の最大通信速度が5GbpsであるUSB 3.0に変わったことはもちろんだが、クライアントの接続台数が多い環境におけるWi-Fi 6のスループット(実効通信速度)改善も大幅な増速に貢献したものと思われる。
製品情報を見ると分かるが、WI-U3-1200AX2はWi-Fi 6非搭載のPCをWi-Fi 6にアップグレードしたいユーザーに向けた製品だ。Wi-Fi 6ルーターを導入した一方で、クライアントとなるPCがWi-Fi 5までの対応にとどまっている場合に最適な製品といえる。
特に、今回の検証のようにUSB 3.0ポートがあるのにUSB 2.0接続のWi-Fi 5アダプターをつないでいるPCや、最高通信速度が433MbpsのWi-Fi 5アダプターを内蔵するPCでは導入の効果が大きくなりそうだ。税込みの実売価格は6000円弱とWi-Fi 6アダプターとしては手頃なので、気になる人はぜひチェックしてみてほしい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.