未来のVRヘッドセットは「Mirror Lake」? Metaが開発中のデザインを公開(2/3 ページ)

» 2022年06月21日 12時00分 公開
[ITmedia]

ひずみ補正のシミュレーターを開発

 続いては「ひずみ補正」だ。

 現状のVRヘッドセットは、ひずんだ映像を出力してレンズを使って補正することで、人間の目で見たときに画面いっぱいにきちんとした映像が映っているように見せている。しかし、こちらも動的な補正は行われておらず、これを実現するにはレンズの製作やシステム開発に長い期間が必要になるという。

 そこで同社では、視線の移動も考慮して歪みの補正を行う「ひずみシミュレーター」を開発した。これにより、物理的なレンズやシステムを作ることなく、ひずみ補正のアルゴリズムを検討できるようになったそうだ。

Meta Inside the Lab マーク・ザッカーバーグ VR 右側にあるVRヘッドセットでひずんだ映像はレンズを通して補正され、左側のように格子が正常になった形で人間に知覚される
Meta Inside the Lab マーク・ザッカーバーグ VR 仮想オブジェクトとアイトラッキングを組み合わせた「ひずみ補正のシミュレーター」

最後の大きなフロンティアとなる「HDR」

 ザッカーバーグCEOが「ディスプレイ技術における最後の大きなフロンティア」と語ったのが、HDR(ハイダイナミックレンジ)だ。従来の低輝度でダイナミックレンジに乏しいディスプレイを一新させ、より明るく/暗く表示できるようになれば、映像はさらにリアルに感じられる。とはいえ、Meta Quest 2は100ニト程度で、ウェアラブルデバイスでこの数値を超えるのは大きな課題があるという。

 そこで、同社が開発したプロトタイプは「Starburst」だ。液晶ディスプレイの背面に明るい光源を取り付けて最大2万ニトを実現した、(同社いわく)世界で初めてのHDR VRシステムとのこと。

 ただし、まだ第1世代であり、製品として出荷するのは現実的ではないとザッカーバーグCEOを述べた。

Meta Inside the Lab マーク・ザッカーバーグ VR 世界初のHDR VRシステムをうたうプロトタイプ「Starburst」
Meta Inside the Lab マーク・ザッカーバーグ VR 実際にはかなりの重量があるようで、取っ手が付いている
Meta Inside the Lab マーク・ザッカーバーグ VR もちろん、これまで述べてきたプロトタイプ以外にも、多彩なモデルが試作されている

薄型化と軽量化を実現した「Holocake 2」

 これまで触れてきた要素をまとめたVRヘッドセットとして、紹介されたプロトタイプが「Holocake 2」だ。これまで試作を積み重ねてきたVRヘッドセットの中で、最も薄くて軽く、既存のPC用タイトルを全て動かすことができるという。

Meta Inside the Lab マーク・ザッカーバーグ VR 薄型化と軽量化を実現した「Holocake 2」

 その秘密は、従来のようにレンズを通してディスプレイからの光を届けるのではなく、“ホロケーキレンズ”を通して目に届くことと、偏光反射を利用してディスプレイと目の間の距離による影響を軽減することにある。

Meta Inside the Lab マーク・ザッカーバーグ VR 右側のホロケーキレンズは、ホログラフィックレンズとパンケーキレンズの特徴を兼ね備えたもので、これまでにないボディーの薄さを実現している
Meta Inside the Lab マーク・ザッカーバーグ VR ホロケーキレンズの仕組み

 現状の課題は“光源”で、これまでのLEDではなく半導体レーザー(レーザーダイオード)が必要になるが、安全かつ低コスト、さらにスリムなVRヘッドセットに適したスペックのパーツはまだ世の中になく、今後の技術進化が欠かせないという。

Meta Inside the Lab マーク・ザッカーバーグ VR Holocake 2の実現には、レーザーダイオードの進化を待つ必要があるという

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