未来のVRヘッドセットは「Mirror Lake」? Metaが開発中のデザインを公開(1/3 ページ)

» 2022年06月21日 12時00分 公開
[ITmedia]

 6月17日(現地時間)、Meta(旧Facebook)が、同社の研究開発部門に関する情報公開イベント「Inside the Lab」を開催した。主にメディア関係者に向けて定期的に開催されているイベントだが、4回目のテーマは「VRディスプレイ研究」で行われた。

 Metaのマーク・ザッカーバーグCEOが同社の目指すべきゴールを説明したり、MetaのVR/ARチームである「Reality Labs」で概念実証や技術検証のために作られた数々のプロトタイプ(試作品)が登場したりした。

Meta Inside the Lab マーク・ザッカーバーグ VR Inside the Labに登場したMetaのマーク・ザッカーバーグCEO。プロトタイプの「Holocake 2」を装着している
Meta Inside the Lab マーク・ザッカーバーグ VR Reality Labsが取り組んできた歴代のプロトタイプ

いかに現実世界で見えるものに近づけていくのか

 イベントの冒頭でマーク・ザッカーバーグCEOは「仮想現実(VR)や拡張現実(AR)のための次世代ディスプレイを構築するには、どのようなことが必要かを話したい」とし、「物理的な世界と同じくらい鮮やかでリアルな3Dディスプレイを作るには、根本的な課題をいくつか解決する必要がある」と提起した。

 人間がリアルな感覚を得られる映像を実現するためには、「人間の複雑かつ深いレベルで統合された視覚システムの各要素を高いレベルで実現し、非常に高度で軽量なディスプレイを構築する必要がある」と語る。

 そこに向けて、Reality Labs Researchのディスプレイシステム研究(DSR)チームは、多岐に渡る課題を解決すべく基礎レベルの研究開発を行っており、今回は下記の4項目について説明がなされた。

  • 「可変焦点」
  • 「(人間の視力に近い、またはそれを超える)解像度」
  • 「ひずみ補正」
  • 「HDR(ハイダイナミックレンジ)」

 そして、VRで表示されるものが現実世界と区別できるかどうかを評価すべく、「ビジュアルチューリングテスト」(Visual Turing Test)と呼ぶテストを行って検証している。DSRチームでは、既存のVRヘッドセットのサイズや重量、消費電力を可能な限り低減し、これらの視覚的要素を搭載するためのヘッドセットの形状を検討するプロトタイプを開発しているが、まだビジュアルチューリングテストをクリアしたものは存在していないという。

 以下では、それぞれの項目ごとにピックアップされたプロトタイプを見ていく。

Meta Inside the Lab マーク・ザッカーバーグ VR DSRチームが開発に取り組む4つの項目

2015年から取り組んでいる可変焦点への取り組み「Half Dome」

 現状のヘッドセットはおおよそ固定焦点(1.5m〜2m)となっており、物体からの距離に応じてピントを合わせることができない。同社ではユーザーの視線をアイトラッキングで検知して、自動的に焦点を合わせることで可変焦点(バリフォーカル)の実現を図っている。

 可変焦点への取り組みは2015年から行っており、初期を除くと「Half Dome」の名称で開発が続けられている。しかし、まだまだ製品化への道は険しく、「非常にハードルが高い」(ザッカーバーグCEO)という。

Meta Inside the Lab マーク・ザッカーバーグ VR 初期の可変焦点(バリフォーカル)ディスプレイ「Time Machine」
Meta Inside the Lab マーク・ザッカーバーグ VR 可変焦点のプロトタイプである歴代の「Half Dome」シリーズ
Meta Inside the Lab マーク・ザッカーバーグ VR Half Dome Zeroを装着したマイク・ザッカーバーグCEO

人の目レベルに迫る高解像度を目指した「Butterschotch」

 人の目に相当する解像度(網膜解像度)の実現を目指したプロトタイプが「Butterscotch」だ。同社では水平視野角1度あたり60ピクセル(60ppd)を人の目に相当する基準としており、このButterscotchは55ppdとかなりのレベルにまで達している。

Meta Inside the Lab マーク・ザッカーバーグ VR プロトタイプ「Butterscotch」。「Oculus」のロゴが残っている
Meta Inside the Lab マーク・ザッカーバーグ VR 視力1.0(米国基準では20/20)相当を実現した「Butterschotch」。Meta Quest 2やOculus Riftと比較しても鮮明なのが分かる
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