イトーキは、オフィスチェアのメーカーとして長い歴史を有する。新型コロナウイルス感染症の流行により在宅勤務が一般化してからは、座面が低い家庭向けオフィスチェアの製品展開も強化してきたという。ゲーミング家具の分野には2019年から参入しており、家庭のインテリアになじみやすいゲーミングチェアや、エヴァンゲリオンシリーズとのコラボモデルなどを投入してきた。
同社の湊宏司社長は「人間との接する面の大きい椅子は、家具の中でもテクノロジーの塊だ。イトーキはこれまで、オフィスワーカーの生産性を向上させるために、人間工学などあらゆる観点から研究開発を進めてきた。このノウハウを家庭向けにも展開している」と説明する。
今回発足したDaidaraレーベルは、先述の通り同社のゲーミング家具における最上位ブランドで、主なターゲットはプロゲーマーやe-Sportsプレイヤー、あるいはこれらを目指す人となる。湊社長の言葉を借りれば「ガチゲーマー向け」の家具だという。
察しが付いている人もいるかもしれないが、Daidaraという名前は日本各地で伝説が残る巨人「ダイダラボッチ」に由来している。ダイダラボッチに関する伝承には、「土地を整え、山や湖を作った」というものが多い。中でも、イトーキが家具工場を構える滋賀県近江八幡市には「富士山を作るため近江(滋賀県の旧国名)の土を掘り、掘った跡地が琵琶湖となった」という伝説が残っているという。
富士山と琵琶湖という2つの“日本一”の存在と、イトーキと近江八幡市との縁から、このDaidaraレーベルが生まれたようだ。
Daidaraレーベルは、イトーキのゲーミング家具製品の中でも「先鋭的な製品」を投入していくという。Act Gamingを皮切りに、今後はゲーミングデスクなどの新製品の投入も計画されている。
イトーキ Web事業統括部の鈴木恵理子事業部長は「第2弾の製品は、2023年内にも展開したい」と語る。9月に開催される「東京ゲームショウ2023」では、Daidaraとしての出展も計画しているという。
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