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無限大のマクロで使い勝手も良好! 65%キーボード「FILCO Majestouch Xacro M3A」を使った感想(1/2 ページ)

» 2023年05月15日 13時00分 公開
[今藤弘一ITmedia]
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 ダイヤテックが2022年11月、FILCOブランドからテンキーレスの65%メカニカルキーボード「Majestouch Xacro(ザクロ) M3Aシリーズ」を発売した。5種類のキースイッチ(茶軸/青軸、赤軸、静音赤軸、シルバー軸)と2種類のキー配列(米国英語67キー、日本語70キー)を組み合わせた計10モデルが取りそろえられており、直販価格は茶軸/青軸/赤軸モデルが1万7600円(税込み、以下同)、静音赤軸/シルバー軸モデルが1万8700円となっている。

 今回は10モデルのうち、静音赤軸の日本語配列モデル(FKBX70MPS/NB)と、シルバー軸の米国英語(US)配列モデル(FKBX67MSS/EB)の使い勝手を確かめてみようと思う。

Majestouch Xacro M3A 今回試用したMajestouch Xacro M3A。上がシルバー軸のUS配列モデル、下が静音赤軸の日本語配列モデル(FKBX70MPS/NB)である

コンパクトだが随所に見られる打鍵しやすい工夫

 Xacro M3Aは、テンキーレスと一部の機能キーを省いて設置面積を縮小した、いわゆる「65%キーボード」である。サイズは約318(幅)×124(奥行き)×39(高さ)mmとコンパクトだが、キーピッチは約19mm、キーストロークは静音赤軸モデルがで約3.7±0.5mm、シルバー軸モデルが約3.4±0.5mm、茶軸/青軸/赤軸モデルが約4±0.5mmを確保している。キー同士が十分に離れており、ストロークも深めなので、しっかりとした打ち心地を得られる。本体にはチルト機構も備わっており、実測値で7度の角度を付けられるようになっている。

 重量は実測で750gとキーの数の割にはずっしりとしており、チルト部とキーボード下部四隅のラバーも相まって、少し激しい動きがあってもブレることなくキータイプできる。

Majestouch Xacro M3A 日本語配列モデルの正面。キートップのかな印字がないため、かな入力派の人は注意しよう。また、US配列モデルと比べると右Ctrlキーが省かれていることもポイントだ
Majestouch Xacro M3A US配列モデルの正面。日本語配列モデルと比べると、右ShiftキーやFnキーの位置が異なる
Majestouch Xacro M3A チルト機構をしまった場合の側面の様子
Majestouch Xacro M3A チルト機構を出した場合の側面の様子

 先述の通り、Xacro M3Aシリーズは一部の機能キーが省かれている。そのため、「Print Screen」や「Page Up」「Page Donw」などは、Fnキーとの組み合わせで利用する。場合によっては、FnキーやCtrlキーの位置を変更して対応した方が操作しやすくなることもある。

 そんな時に利用したいのが、本体背面のディップスイッチだ。スイッチは12個用意されており以下の通りの設定を行える。

  • DIP1/2:キー配列の変更(ON/OFFの組み合わせで4通りから選択可)
  • DIP3/4:最下段の左端から3つのキーの機能/配置変更(ON/OFFの組み合わせで4通りから選択可)
  • DIP5/6:スペースキーの右側にあるキーの機能/配置変更(ON/OFFの組み合わせで4通りから選択可、※1)
  • DIP7:E/J(半角/全角)キーとEscキーの入れ替え(日本語配列モデル)、Escキーと「'」キーの入れ替え(US配列)
  • DIP8:Caps Lockキーと左Ctrlキーの入れ替え
  • DIP9:Caps LockキーをFnキーとして使う機能の切り替え
  • DIP10:マウス停止モードの切り替え(※1)
  • DIP11:ハードウェアマクロ設定の切り替え
  • DIP12:工場出荷状態への初期化に利用

(※1)オンにした場合、カーソルキーは「Fnキー+E/S/D/Fキー」のコンビネーションとなる

 キーの入れ替えに関するスイッチ操作に関連して、スイッチで変更した後に使える「交換用キーキャップ」も付属している。他のキーボードでキー割り当てを変更した際に、筆者はいちいち頭の中で変換して使っていたのだが、そういうこともなく直感的に入力できるのはとても助かる。

 配列については、以下の中から選べるようになっている。

  • QWERTY配列(デフォルト)
  • Workman配列(FILCOオリジナル:日本語配列のみ)
  • Dvoark配列(英語配列)
  • Colemak配列
  • Mac配列
Majestouch Xacro M3A Fnキーと組み合わせて使う役割はキー側面に刻印されている
Majestouch Xacro M3A 背面に用意されているディップスイッチ
Majestouch Xacro M3A 付属するキーキャップ(左上)とリムーバー(左下)、付属のUSBケーブル(右)。ケーブルは180mmとかなり長いので、デスクトップPCで背面から取り回さない場合でも十分に対応できる

実際に打ってみる

 今回試した2モデルだが、静音赤軸モデルは通常の赤軸と同様に、押すごとに荷重が増すリニアタイプである。ただし、通常の赤軸とは異なり、スイッチ底部にクッションがあるので、その名前の通りすごく静かにキーを打てる。しかし、それでいてしっかりとした打ち心地はあり、ストロークが浅くなるというわけではない。

Majestouch Xacro M3A 日本語配列モデルの静音赤軸スイッチ

 一方、シルバー軸モデルは、赤軸や茶軸よりも軽いタッチ感である。アクチュエーション(反応)ポイントが赤軸スイッチだと約1.8mmなのに対して、シルバー軸は約1.2mmと浅い上に荷重も軽く、素早い入力を期待できる。試した感触では、軽やかなタッチでタイピングが可能だった。特に、ゲームプレイ時は「WASDキー」を押した瞬間に入力されるイメージである。

 シルバー軸のクイックなレスポンスは、「PUBG: BATTLEGROUNDS」のようなシューティングゲームにおいて顕著なメリットを得られる。いつもよりワンテンポ早くキャラクターを移動できるのだ。ただし、青軸スイッチとまではいかないものの、シルバー軸のタイプ音はかなり大きい。

Majestouch Xacro M3A US配列モデルのシルバー軸スイッチ

 2つのスイッチを打ち比べた感触だが、文字入力などは静音赤軸の方がやりやすい。シルバー軸は少し軽すぎるので、思考が入力に追い付かないように感じたのだ。しかし、ゲームプレイはやはりシルバー軸の方に軍配が上がる。どちらを重視するかによって軸を選べばよいと思う。

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