ダイヤテックが2022年11月、FILCOブランドからテンキーレスの65%メカニカルキーボード「Majestouch Xacro(ザクロ) M3Aシリーズ」を発売した。5種類のキースイッチ(茶軸/青軸、赤軸、静音赤軸、シルバー軸)と2種類のキー配列(米国英語67キー、日本語70キー)を組み合わせた計10モデルが取りそろえられており、直販価格は茶軸/青軸/赤軸モデルが1万7600円(税込み、以下同)、静音赤軸/シルバー軸モデルが1万8700円となっている。
今回は10モデルのうち、静音赤軸の日本語配列モデル(FKBX70MPS/NB)と、シルバー軸の米国英語(US)配列モデル(FKBX67MSS/EB)の使い勝手を確かめてみようと思う。
Xacro M3Aは、テンキーレスと一部の機能キーを省いて設置面積を縮小した、いわゆる「65%キーボード」である。サイズは約318(幅)×124(奥行き)×39(高さ)mmとコンパクトだが、キーピッチは約19mm、キーストロークは静音赤軸モデルがで約3.7±0.5mm、シルバー軸モデルが約3.4±0.5mm、茶軸/青軸/赤軸モデルが約4±0.5mmを確保している。キー同士が十分に離れており、ストロークも深めなので、しっかりとした打ち心地を得られる。本体にはチルト機構も備わっており、実測値で7度の角度を付けられるようになっている。
重量は実測で750gとキーの数の割にはずっしりとしており、チルト部とキーボード下部四隅のラバーも相まって、少し激しい動きがあってもブレることなくキータイプできる。
先述の通り、Xacro M3Aシリーズは一部の機能キーが省かれている。そのため、「Print Screen」や「Page Up」「Page Donw」などは、Fnキーとの組み合わせで利用する。場合によっては、FnキーやCtrlキーの位置を変更して対応した方が操作しやすくなることもある。
そんな時に利用したいのが、本体背面のディップスイッチだ。スイッチは12個用意されており以下の通りの設定を行える。
(※1)オンにした場合、カーソルキーは「Fnキー+E/S/D/Fキー」のコンビネーションとなる
キーの入れ替えに関するスイッチ操作に関連して、スイッチで変更した後に使える「交換用キーキャップ」も付属している。他のキーボードでキー割り当てを変更した際に、筆者はいちいち頭の中で変換して使っていたのだが、そういうこともなく直感的に入力できるのはとても助かる。
配列については、以下の中から選べるようになっている。
今回試した2モデルだが、静音赤軸モデルは通常の赤軸と同様に、押すごとに荷重が増すリニアタイプである。ただし、通常の赤軸とは異なり、スイッチ底部にクッションがあるので、その名前の通りすごく静かにキーを打てる。しかし、それでいてしっかりとした打ち心地はあり、ストロークが浅くなるというわけではない。
一方、シルバー軸モデルは、赤軸や茶軸よりも軽いタッチ感である。アクチュエーション(反応)ポイントが赤軸スイッチだと約1.8mmなのに対して、シルバー軸は約1.2mmと浅い上に荷重も軽く、素早い入力を期待できる。試した感触では、軽やかなタッチでタイピングが可能だった。特に、ゲームプレイ時は「WASDキー」を押した瞬間に入力されるイメージである。
シルバー軸のクイックなレスポンスは、「PUBG: BATTLEGROUNDS」のようなシューティングゲームにおいて顕著なメリットを得られる。いつもよりワンテンポ早くキャラクターを移動できるのだ。ただし、青軸スイッチとまではいかないものの、シルバー軸のタイプ音はかなり大きい。
2つのスイッチを打ち比べた感触だが、文字入力などは静音赤軸の方がやりやすい。シルバー軸は少し軽すぎるので、思考が入力に追い付かないように感じたのだ。しかし、ゲームプレイはやはりシルバー軸の方に軍配が上がる。どちらを重視するかによって軸を選べばよいと思う。
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