デイブ・マコーリー氏(チーフ・コマーシャル・オフィサー)は、日本滞在中のホテルで部屋番号を忘れてしまい、“他の部屋のドアに何度もカードキーをかざしてしまった”エピソードで場をあたためながら、ハイブリッドワークが浸透することで、そのスタイルが単に「仕事」と呼ばれるように変化していくだろうと話を始めた。
しかし、自宅のIT環境が充実化する一方で、オフィスのIT環境が不十分になっているケースが多い。労働者がハイブリッドワークで自身のパフォーマンスを最大化できると感じているのは、5人に1人の割合にとどまってしまっているという。
そういった課題に対し、オフィスにドッキングステーションやディスプレイといった環境をしっかり整えることで、どこで仕事をしても生産性を等しくするスムーズな体験を生み出す必要があると力説した。
また、ハイブリッドワークによってエンドポイントのセキュリティが非常に重要になっていることにも触れた。今後、地球上で8兆ドルもの額がサイバーセキュリティに投資されるという予測があるとして、全ての企業の負担になっていると説明する。
例えば、エンドポイントはPCだけでなく、社内ネットワークにつながれたプリンタも含まれる。HPの顧客の90%はセキュリティ対策としてプリンタを購入していないという。今後は幅広い視点からセキュリティを考えてほしいとしている。
アレックス・チョウ氏(パーソナルシステムズ事業担当プレジデント)は冒頭で、コロナ禍による制限された環境下であっても仕事や勉学に携わる人々に製品を届けたパートナーに感謝を示しながら、これからのコンピューティングにワクワクしていると期待感をあらわにした。
また、85歳になる父のエピソードを紹介しながら、人々がつながることが重要であるとして、スマートフォンやタブレットなどスマートデバイスが台頭する中でも、仕事や教育、ゲーミングなど、人々がつながる中心には今でもPCがあるとしながら、HPはPC単体ではなく領域全体をカバーしているという強みを生かしつつ、大きな役割を果たしていくことができるとアピールした。
基調講演後、アレックス氏に次のような質問をした。
記者 ハイブリッドワークを推進していきたいか。日本では完全出社スタイルに戻っている企業も少なくない。海外の状況はどうか、ハイブリッドワークの価値に気付いてもらうためのアイデアはあるか
アレックス氏 私たちはハイブリッドワークを推進したいというわけではなく、ハイブリッドワークをやりたい顧客を助けたいと思っている。アジア太平洋地域では90%の人々がハイブリッドワークをしたいと言っている。これは在宅勤務に限らず、自宅以外で仕事をすることも含まれる。多くの人がどこで仕事をしても生産性が上がるようなテクノロジーを求めていること、そういったニーズは非常に重要だ。彼らを助けるプロダクトを提供していきたい
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