プリンタ製品のカテゴリーを率いるジョージ・ブラシャー氏(プリント担当シニアブバイスプレジデント兼チーフオペレーティングオフィサー)は、現時点においてHPがプリンタ市場のシェアナンバーワンではないとしながらも、市場調査では次に購入したいプリンタのブランドとして高い評価を得ているとアピールした。タンク方式を採用した製品開発に従来の倍の投資を行う他、小売店に対するサポートを強化するという。
また、サステナビリティの分野でも進化を続けている。インクカートリッジの大きさを30%削減したり、プリンタ本体のフットプリントを削減したりすることで、物流コンテナを効率化した。印刷を、より少ないエネルギーで実現できるようになったという。
HPに加わる前のPoly旧CEOでもあったデイブ・シェル氏(ワークフォース・ソリューションズ担当プレジデント)は、日本を語る上で食べ物は欠かせない(辛いラーメンが大好き、米国の住む10歳の娘も自宅で日本食を楽しもうとしている)といったエピソードから話を始めた。
デイブ氏は世界各国で顧客と触れあう中で、ハイブリッドワークソリューションの提供について「頑張ってください」と顧客からいわれることが大変励みになっていると話す。
世界がめまぐるしく変化していく中で、多くの顧客が「IT予算をどこに投資すればいいのか」「どのようにインフラを整備すればいいのか」「未来の働き方をどう準備すればいいのか」「投資を成長につなげるにはどうすればいいか」「サステナビリティにどう取り組めばいいのか」──そんな悩みを抱えているという。
HPが持つ1つの答えとして、デイブ氏はPCやプリンタなどのデバイス管理を簡略化する「HP Device as a Service(DaaS)」を紹介した。課題に対して適切なデバイスを提案できる他、問題が発生した場合でもデバイスから得たデータを生かして適切なアドバイスを行ったり、エンドポイントのセキュリティを継続的にサポートしたりできると訴求した。
「さまざまな業務に携わる、さまざまな従業員がいる。彼らをどのように定義して、適切なタイミングに最適なデバイスを届けるか。近代的なマネジメントシステムが求められる」(デイブ氏)
リン・ロー氏(ESG レポートグローバル責任者)は、グローバルで行った調査に触れ、企業で働くときに、その企業が環境問題や社会問題の取り組んでいるかを気にする人が増えていると話す。また、消費者の目線でも、過半数がサステナブルに取り組んでいる製品を使いたいと考えているという。
このように、多くの人が企業にサステナビリティについて責任を担ってほしいと考えていることから、HPも顧客を自社につなぎ止め、商品を売り、人材を獲得するためにもサステナビリティについて取り組む必要があるとあらためて認識したと説明した。
サステナビリティは環境の良い素材を製品に使うといったことに限らない。人権問題なども含まれる。例えば、アジア地域では各国のNGOやNPOらと協力して、子供たちのデジタルギャップを埋める活動を積極的に行っていることを説明している。
日本ではNPOのKIDSDOORと連携し、東京都江戸川区にある子供支援施設のeスポーツコーナー設置を支援していることを紹介した。置かれた環境を理由に子供たちがITから遠ざけられないようにすることを掲げており、実際にコミュニケーションやITのスキル向上にも役立っているという。
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