UMPC好きな人ならば、TENKU MOBILE S10の姿に「どこかで見たことあるな……」と感じた人も多いはずだ。それもそのはずで、本機は先ほどのベンチマークテストで比較対象として出した初代MiniBook Xと“うり二つ”なのだ。もっというと、Intel N100を搭載する第2世代の「MiniBook X N100」とも酷似している。
実際、本体寸法を含めて、本機とMiniBook X N100のスペックはほぼ同じである。底面に刻印されているシリアル番号(らしき数字)も、MiniBook Xと同じ「ZMinBX〜」という書き方だ。恐らく、CHUWIから供給を受けたのだろう。
ただし、“ほぼ同じ”という点が重要なポイントで、実際には細かいスペックには差異があり、MiniBook X N100では12GBだったメモリが16GBに、512GBだったSSDが1TBに増量されている。
5万円台で購入できるMiniBook Xと比べると、TENKU MOBILE S10の8万円前後という価格はやや割高にも感じる。しかし、家電量販店でも購入できるため入手性が良く、日本国内でサポートを受けられるという安心感もある。スペックの向上分と合わせて考えると、十分受け入れられる差額だと考える。
現在も、筆者は外出時を中心に初代MiniBook Xを愛用している。Celeron N5100ではあるものの、原稿を書いたり、Webブラウザで調べものをしたりする使い方であれば、性能的には全く不足は感じない。性能がアップしたN100なら、一層快適だろう。
サイズ感も絶妙で、製品発表会などで机が狭かったり、そもそも机がなかったりする場所でも気軽に使えるのがメリットだ。キックスタンドにキーボードカバーのタブレットPCでは膝に載せて使うのが難しいが、TENKU MOBILE S10のような2in1タイプなら問題ない。
ちなみに、TENKU MOBILE S10の背面には「熱くなるため膝の上などに置いて使用しないでください」との注意書きがある。膝上で使用する場合は、自己責任となるので注意したい。
ともあれ、TENKU MOBILE S10は、気軽に持ち運ぶことができ、場所を選ばずに使えるノートPCとなっている。7型や8型のUMPCでは小さすぎてキーボードが打ちづらいが、かといってキーボードを別に持ち歩くなら普通のノートPCでいいのではないか、と考えて人はぜひ手に取ってみてほしい。
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