コンパクトな2in1ノートPC「TENKU MOBILE S10」を試す Intel N100搭載で普段使いは快適に(2/3 ページ)

» 2024年04月04日 17時00分 公開
[山本竜也ITmedia]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

CPUは「Intel N100」 その実力は?

 ここからは、ベンチマークテストでTENKU MOBILE S10の性能を確認していこう。

 本機が搭載する「Intel N100」は、エントリークラスのノートPCなどで採用されている4コア4スレッドの廉価ノートPC向けのCPUだ。第12世代Coreプロセッサ(開発コード名:Alder Lake)における高効率コア(Eコア)のみで構成されており、製造プロセスは「Intel 7」となる。Eコアだけとはいえ、「Celeron N5100」や「Pentiumu Silver N6000」といったJasper Lake(開発コード名)世代のCPUと比べると性能は高い。

 本機は16GBのLPDDR5メモリを備えている。Intel N100搭載のPCでは、メモリの容量が4GB〜8GB程度であることも多いが、本機については普段使いに十分な容量を確保している。

CPU-Z 「CPU-Z」で本機のIntel N100の情報を確かめる

 まず、3Dレンダリングを通してCPUのパフォーマンスをチェックできる「CINEBENCH R23」の結果だが、マルチコアで2683ポイント、シングルコアで884ポイントという結果だった。

 参考に、筆者の手元にあるCeleron N5100搭載の初代「CHUWI MiniBook X」(10.8型)のスコアを見てみると、マルチコアで1479ポイント、シングルコアで551ポイントだった。CPUのパフォーマンスはおよそ1.5倍向上している。

CINEBENCH R23 CINEBENCH R23の結果

 続いて、PCMark 10の標準テストを一通り実行した。スコアは以下の通りだ。

  • 総合:3041ポイント
  • Essentials(日常的なPC作業):6973ポイント
  • Productivity(オフィス作業):4472ポイント
  • Digital Content Creation(デジタルコンテンツ編集):2449ポイント

 開発元のULによると、個別テストの推奨スコア(快適に使える目安)は以下の通りとなっている。

  • Essentials:4100以上
  • Productivity:4500以上
  • Digital Contents Creation:3450以上

 そう考えると、Webブラウジングやビデオ会議は問題なくこなせて、オフィスアプリはギリギリ使えるが、写真編集や動画編集などは厳しいという感じだろう。

 せっかくタブレットモードがあるので「スタイラスペンを使ってイラスト作成や画像編集を……」とも思うのだが、残念ながらその用途での使用は難しい(そもそもスタイラスは付属していない)。

PCMark 10 PCMark 10(標準テスト)の結果

 3Dグラフィックスのベンチマークテストアプリ「3DMark」の主要なテストも実行してみた。スコアこそ初代CHUWI MiniBook Xを上回っているものの、ゲームを快適に楽しむまでのスペックは備えていない。

3DMark 3DMarkの結果

 試しに「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITIONベンチマーク(FF15ベンチマーク)」を実施したところ、軽量品質/1280×720ピクセル/フルスクリーン設定でも1319ポイントで「動作困難」となった。

 ただ、負荷の軽い「ドラゴンクエストXベンチマーク」を試したところ、低品質/1280×720ピクセル/フルスクリーン設定であれば、4575ポイントで「普通」という評価を得られた。

 本機でゲームを楽しもうと考える人はあまりいないだろうが、軽量級のタイトルであれば何とか遊べるかもしれない。

FF15ベンチマーク FF15ベンチマークの結果
ドラゴンクエストXベンチマーク ドラゴンクエストXベンチマークの結果

 ストレージはPCI Express 3.0 x4接続の1TB SSDで、容量は大きめだ。試用機では「AirDisk 1TB SSD」というものが搭載されていた。あまり聞かないメーカーだが、軽く調べたところ、中国メーカーのミニPCなどでよく採用されているようだ。

 「CrystalDiskMark 8.0.5」でアクセス速度を調べてみたところ、シーケンシャル読み出しが毎秒3450MB、シーケンシャル書き込みが毎秒3107MBだった。PCI Express 3.0 x4の理論最高速度(毎秒3500MB)近いスピードが出ている。

CrystalDiskInfo CrystalDiskInfoでチェックしたSSDの情報
CrystalDiskMark CrystalDiskMark 8.0.5の結果。シーケンシャル読み出しは、PCI Express 3.0 x4の理論最高に近い速度が出ている

 レビューは以上となるが、最後にどうしても言っておきたいことがある。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年05月09日 更新
最新トピックスPR

過去記事カレンダー