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日本の自動車分野と「AI」「コンピュータ技術」で連携――LenovoのルイCTOに聞く(2/2 ページ)

» 2025年01月07日 12時30分 公開
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「自動運転AI」はどこまで信用できるのか?

 先日の「Snapdragon Summit」のレポートでも触れたが、AI半導体の現状は“日進月歩”という言葉が似つかわしい。

 取材を通して得た印象的なコメントの1つとして、「コンシューマーの世界では、AI推論で求められる回答は『スピード』『消費電力』重視であり、『精度』はそこまで求められない。逆に、自動車の自動運転を担うADASでは『精度』こそが重要であり、目的を考えなければならない」というものがある。繰り返しだが、AIの世界は非常に進化が速い。一方で、従来の自動車業界では特に安全性を重視する観点から実装に慎重になりがちだ。メーカーだけでなく自動車のユーザーも「完全コンピュータ制御による自動運転をどこまで信用できるのか?」という疑問を間違いなくもっている。

 この疑問について、ルイCTOは自身の考察も踏まえて以下のように説明する。

 あなた(筆者)が日本から来た記者ということを踏まえていうが、ぜひ日本の偉大な自動車メーカーの方々に向けても、この話題を取り上げてほしいと思っている。

 今回のTech Worldの基調講演において、NVIDIAのジェンスン・ファンCEOも触れたと思うが、自動車の自動運転は、実際にはロボットの自動運転と非常に似ているということだ。これは事実であり、第2世代の自動運転アルゴリズムも同様だ。

 E2E FSDが実現できたのはつい最近で、歴史上初のことだったが、ロボットと自動運転の両方には、統一されたフレームワークが存在している。つまり、自動運転車は全て「動くロボット」と見なしてもいい

 しかし、あなたが抱くような懸念ももっともであり、(自動運転における)信頼性と信用性は非常に重要≫だ。Lenovoのシステムを紹介すると、サイバーセキュリティ面では、最高峰である「レベルD」を達成しており、ISOの定める基準も満たしている。これは私たちのみならず、NVIDIAとの強力で実現したものでもある。

ファンCEO NVIDIAのジェンスン・ファンCEOが最新AIとロボットの関係について説明を行う。左は自律型エージェントの説明だが、モデルは「Toy Jensenだ」と紹介していた

 PCやスマホなどのコンシューマ製品と比べると、車載機器には、はるかに高い安全性と信頼性も備えなければならない。そのため、私たちは車載システムがコンシューマ向けのものよりも安全かつ堅固であるために、多大な労力を費やしている。

 ユーザーが抱く懸念ももっともであり、NVIDIAのみならずQualcommといった関連パートナーとも協力することで、(Lenovoは)私が見る限り最も信頼できるコンピューティング装置を構築していると考えている。私たちにとって、(メーカーら顧客を含む)市場がどれほど大事なのか、新分野における重要性について改めて強調しておきたい。

発表 ファンCEO(左)は、Lenovoのヤン・ヤンチンCEO(右)と一緒に自動運転の車載向けDCUでの最新コラボレーションを発表した

 冒頭の説明にあるように、Lenovo自身がAI分野では最先端企業の1社であり、すでに国内の主要PCメーカーとして多くの企業とコラボレーションをしている。しかし、自動車業界にとっては“ニューカマー”である。

 この点を踏まえて、ルイCTOは日本市場、特に業界を支配する自動車メーカーを非常に意識した発言をしていたように思う。今後5〜10年で大きく市場が動くことを踏まえ、各社は次の一手を常に考えているというのがうかがえる話だったと思う。

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