Crush 80 Rebootは、LiteとProの2グレードで展開される。両者の主な違いはRGB(フルカラー)LEDイルミネーションの有無、キースイッチ(LiteはHMX Frostスイッチ、ProはKailh Cocoaスイッチ)、バッテリー容量(Liteは3750mAh、Proは7500mAh)、ポジショニングプレート(Liteはポリプロピレン、ProはFR4)、消音用のPETフィルムの有無になる。また、カラーバリエーションはLiteが3色、Proは10色での展開だ。
今回試用したのはCrush 80 Reboot Pro Redだ。Rainy 75にもRedVel Proという赤を基調としたモデルがあった。そちらはキートップが薄紅色だったが、Crush 80 Reboot Pro Redではあずき色になっている。これがまさしく、シャア専用ザクの胴体色で、マットな仕上がりと合わせて気分を盛り上げてくれる。
Crush 80 RebootのレイアウトはRainy 75の75%から80%へと拡張され、より標準的なテンキーレスキーボードレイアウトに近づいた。右側のShiftキーに押し込むような形で配置されていた矢印キーは一般キーから分離し、機能キーについてもInsert、Print、Scroll、Pauseが独立して配置されている。F13キーが追加されているのも特徴の1つだ。
ボディーにはCNC削り出しの6063アルミ合金を採用している。シンプルながらもエッジの効いたデザインは「高級アルミの塊」と言った趣がある。表面もアルマイト処理によるシルキーな質感で、指で触れるとひんやり冷たい金属の感触が心地よい。
また、厚みのあるトッププレートやバックウェイトにより、重量は約2380gにも達する。一般的なテンキーレスキーボードが1000g前後であることを考えると桁違いで、実際に手に持つと予想を超えた重さに驚かされる。その分、デスクに置いた際の安定感は抜群で、タイピング中に手が当たったりしたくらいでは微動だにしない。むしろ、ノートPCの上に置いたりするのはとてもおすすめできない。尊師スタイルなんぞはもっての外だ。
バッテリーコンポーネント、バックプレートもカラーによって仕上げが異なり、Pro Redではアルマイト仕上げで温かみのあるシルバー色と、ブロンズっぽいムラ感のあるテクスチャで構成されている。WOBロゴが刻印された中央のプレートはマグネットで固定されており、取り外すと2.4GHz無線接続に使うドングルの収納スペースが現れる。
キーキャップはPBTダブルショット成型だが、RGB LEDイルミネーションをサポートする多くのキーボードとは異なり、文字部分は透過素材ではない。そのため、キー下のLEDの光はキーの間から漏れるだけで、暗いところでの印字部分の視認性は低くなる。LED自体はゲーミングキーボードと同様だが、見え方としては控えめな印象だ。その他、矢印キーの右上にあるハートビートマークと側面にRGB LEDが仕込まれている。
PCとの接続は有線/2.4GHz/Bluetoothのトリプルモードに対応している。Bluetoothは3台までペアリング可能と、現在の高級モデルの標準的な構成といえるだろう。ただ、無線の有効化/無効化には少し癖がある。
一般に無線をサポートするキーボードの場合、使用していないときの電力消費を止めるために、まず間違いなく電源スイッチがある。だが、Crush 80の電源スイッチはあろうことか、CapsLockキーキャップを取り外したところに配置されている。
電源スイッチがオフの状態でも有線での利用はできるので、有線でのみ利用する人はずっと電源オフにしておけばよいが、無線で使用する人にとってはなんとも悩ましい仕様だ。
CapsLockキーを外したままで使う人もいるのかもしれない。とはいえ、バッテリーは7500mAhの大容量であり、公称で最大約1223時間の駆動(※省電力モード時)が可能となっている。無線利用時もしばらくタイプしないと5〜6分ほどでスリープに入るので、実用上は困らないのかもしれない。
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