以上のように、液晶の表示を電子ペーパー風にカスタマイズすることで、電子ペーパーの欠点である発色やリフレッシュの問題を解決したとアピールする本製品だが、実機を使ってみると意外なほどオーソドックスな液晶タブレットというのが率直な印象だ。
これは決して悪い意味ではなく、既存の電子ノートと比較しても機能や操作性が破綻しておらず、堅実に使えることによるものだ。こうしたデバイスにありがちな、理想だけは高いがさっぱり使い物にならないという機能も、ざっと試した限りでは見当たらないことも評価できる。
ただし使えば使うほど、どのような層に向けた製品なのか、見えなくなってくるのも事実だ。筆者は実機を使ってみるまでは、液晶なのかE Inkなのかといった技術的背景はあまり深追いせず、実際の使い勝手を重視した製品という印象が強く、それゆえ中級者よりも初心者を狙った製品なのだろうと予想していた。
しかし実機を見ていくと、表面的には確かにそうだが、実際に使いこなすにはAndroidの知識をある程度備えた中級者向けの製品であるとの印象を強く感じた。「Androidを知っていればより深く使いこなせる」と、「使いこなすにはAndroidの知識が必要」は似ているようで全く違うが、本製品は後者であって前者ではないイメージだ。
例えば、外部への書き出しメニューは共有やエクスポート、クラウドアップロードといった複数の選択肢があるが違いが分かりにくく、またどれを選んでも以降の操作は別アプリが受け持つので、Androidの利用経験がなければ戸惑いがちだ。基本的な操作においても、ある程度ベースとなる知識を必要とすることは、特に初心者は注意した方がよいだろう。
あとは価格だ。スタイラスと保護ケースが込みで実売価格は9万9800円からと、容量256GBのタブレットとしては比較的リーズナブルだが、電子ノートでは同等価格帯の選択肢は他にもある。
電子ノートの利用割合がそれほど高くないのであれば、汎用(はんよう)的なタブレットを購入した方が、対応アプリが多いなどのメリットもある。E Ink製品に比べてつぶしが利くとはいえ、こと価格面では強みを感じないというのが正直なところだ。
クラウドファンディングで1億円を超える出資を集めている本製品だが、E Inkながら本製品に近いコンセプトを備えていたファーウェイの「MatePad Paper」が発売から4年経ち、現在では同社のラインアップに跡形もないことを考えると、本製品も安泰とは言えないだろう。
とはいえ、発売時点での完成度は本製品が明らかに上で、かつAI関連ではさらなる機能追加も予定されているようなので、そのあたりの進化にも期待したいところだ。
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