次世代の「Siri AI」発表 ユーザーを理解した応答が可能、表現力も向上 26年後半に英語から対応

» 2026年06月09日 03時51分 公開
[田中聡,ITmedia]

 Appleが6月9日、開発者向け会議「WWDC26」にて、パーソナルアシスタント「Siri」の新バージョン「Siri AI」を発表した。

 Siri AIでは、次世代の「Apple Intelligence」を用いており、GoogleのGeminiを採用した大規模言語モデル「Apple Foundation Model」に基づいている。iPhoneだけでなく、iPad、Mac、Apple Watch、Apple Vision Proと深く統合されている。

Siri AI Appleデバイスで次世代の「Siri AI」を利用できるようになる

 Siri AIは、ユーザー固有の文脈(パーソナルコンテクスト)を理解し、ビジュアルも変わり、より表現力豊かになったことが特徴だ。Hey Siriで話しかけるか、サイドキーを長押しして呼び出す方法は従来と変わらないが、iPhoneのダイナミックアイランドを下にスワイプして会話を始めることもできる。

Siri AI Siriの見た目も変化する
Siri AI 会話の内容から次の対応を提案したり、地図の情報から移動プランを提案したりできる

ユーザーがやりとりした情報に基づいて回答してくれる

 Siri AIの活用例として、近くで開催されるコンサートを質問し、チケットを手に入れる方法を聞いたり、抽選だった場合にその受付開始日時をリマインドしてもらったりできる。画面に表示している内容を認識することもでき、画面上の写真に写っているスポットの場所を答えてくれる。Webサイトの情報を参照し、「次の日食はいつか」といった情報も答えてくれ、会話を発展させて補足の質問もできる。

 メッセージ、メール、写真など、ユーザー個人がやりとりした内容や保存した内容から、最適な答えを導き出してくれる。例えば、友人がメッセージで教えてくれたおすすめのレストランを探す、過去のメールからホテルの予約番号を見つける、新しい住所を送ってくれた友人の住んでいる場所を確認する――といったことが可能になる。

 写真探しもスムーズになり、「先週末にAさんと一緒に行った写真を見せて」とオーダーすると、写真アプリにアクセスせずに写真探しを手伝ってくれる。それらの写真を指定のユーザーに共有することもできる。

Siri AI ユーザーを理解した応答が可能になり、画面上の内容も認識してくれる
Siri AI 写真アプリにアクセスせずに写真の検索や共有ができる

音声のカスタマイズも可能、音声入力の精度もアップ

 Siriの音声をより深くカスタマイズできるようになり、スライダーを使って音声の表現力や話す速度などを調整できる。音声入力の精度も向上し、英語の大文字と小文字を認識し、句読点も反映するという。なお、この進化した音声入力は、「iPhone Air」「iPhone 17 Pro/17 Pro Max」「iPad(M4以降)」「Mac(M3以降)」が対応する。

Siri AI Siriの音声の細かなカスタマイズも可能になる

 Siri専用のアプリも用意する。Siriアプリでは、過去の会話の履歴を確認したり、新しい会話を始めたりできる。SiriアプリはiCloudによって、プライバシーを保護しながら、Appleデバイス間で同期されるので、iPhoneで始めたSiriの会話を、iPadやMacで続けることができる。

Siri AI Siriとの会話の履歴を確認できるアプリ

 Siri AIは、本日からiOS 27、iPadOS 27、macOS 27、visionOS 27で開発者向けテストとして利用可能になる。一般ユーザー向けには、2026年後半に英語設定のデバイスにβ版として提供され、他の言語にも拡大する予定だ。

Apple Intelligenceも進化 Safariのタブグループ化や高度な画像編集など

 新しいApple Intelligenceは、Siri以外のアプリとも連携する。例えばメッセージやメールのアプリでは、届いたメールから最適な返信内容を提案してくれる。電話アプリでは、法人に電話をかける際に、その企業に関連する情報を教えてくれる。例えば航空会社にフライト変更の電話をする際、フライト情報を参照しながら問い合わせができる。

 ホームアプリとも連携し、防犯カメラで録画した動画の内容を要約することができる。シーンごとの検索も可能なので、荷物の配達なども探しやすくなる。

Siri AI 航空会社に電話をすると、その会社のフライト情報が画面に自動表示される

 ショートカットアプリでは、より簡単にオートメーションを作成できるようになる。例えば「退社時に帰宅時間を家族にメールしたい」と入力することで、オートメーションが自動で作成される。微調整や追加の操作が必要な場合も、Siriに指示するだけでよい。

Siri AI テキスト入力でオートメーションを作成可能になる

 Safariでは、開いている複数のタブをトピックごとに自動で整理してグループ分けしてくれるようになる。

 画像編集でも新たなApple Intelligenceを活用する。被写体の周囲のオブジェクトを削除する「クリーンアップツール」は、複雑な構図の写真を含め、より高い精度で消去できるようになる。被写体の構図を変更できる「空間リフレーム」にも対応する。構図を変えたい被写体をタップして動かすだけで、新たに写真を撮影し直したかのような編集が可能になるという。

Siri AI クリーンアップツールも進化
Siri AI 写真の構図変更も可能になる

 Apple Intelligenceのアップデートは、Apple Intelligenceが利用できる全ての言語で対応する予定で、日本語も含まれる。

Siri AI 新しいApple Intelligenceの対応言語

新Apple IntelligenceとSiri AIの対応デバイス

 iOS 27、iPadOS 27、macOS 27、watchOS 27、visionOS 27に搭載されているApple IntelligenceとSiri AIは、iPhone 16以降のモデル、iPhone 15 Pro/15 Pro Max、iPad mini(A17 Pro)、M1以降のチップを搭載したiPadモデル、M1以降のチップを搭載したMac、Apple Vision Pro、Apple Watch Series 10以降、Apple Watch Ultra 2以降、Apple Watch SE 3で利用できる。

 画像生成など一部のApple Intelligence機能は、高性能なサーバモデルに依存しているため、1日の使用制限がある。「iCloud+」のサブスクリプションプランに加入することでアクセス制限を緩和できる。

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