Chatから自律実行へ Microsoft IQとCopilot Cowork/Scoutが示すAIエージェントの近未来:Windowsフロントライン(1/2 ページ)

» 2026年09月01日 12時00分 公開

 今回は、Microsoftの「Copilot」(コパイロット)を取り巻く最新事情をまとめたい。

 Copilotというと、一部には「余計な機能」的な評価を受けているかもしれないが、業務を共に完遂(Copilot)するビジネスツールとして見れば、健闘どころかかなりの領域まで進化しているといえる。

 Microsoftにとって、競合に対しての最大の強みはMicrosoft 365でメールやスケジュール、Teamsやクラウドストレージを介して共有された社内の業務データまで、ほとんどの業務データを集約してAI動作に活用できる点であり、この点に関して他の追随を許さない。

 特に2026年前半に段階的に発表された「Microsoft IQ」と、6月にGA(一般提供)が発表された「Copilot Cowork」、そしてFrontierプログラム経由で先行提供されている「Microsoft Scout」を通じて、このあたりの進化を垣間見られるものとなっている。

Microsoft IQとは?

 6月に開催された開発者会議の「Microsoft Build 2026」において、同社は「Web IQ」を発表した。2026年初頭から段階的に発表されている「IQ」の名称を冠した製品群の最新のものであり、発表済みの「Fabric IQ」「Foundry IQ」「Work IQ」と合わせて4つのIQ製品を総称して「Microsoft IQ」と呼ぶ。

Microsoft Build 2026で発表され、4つの製品群が全てそろった「Microsoft IQ」

 個々の機能や役割は下記の通りだが、その最大の特徴は「AIエージェント」からのアクセスを想定した作りになっている点だ。APIやMCP経由でアクセスする形になるが、Microsoft IQで処理されるデータや出力形式はあくまでAIエージェントが理解しやすく使いやすい形式となっている。

 例えば人間向けのUI/UXを想定した場合、出力結果は人間が理解しやすい形でテキストやHTMLとして出力するのが一般的だ。だがMicrosoft IQでは“トークンの無駄遣い”なく効率的にAIエージェントが理解できるデータとしてJSONやMarkdown、あるいは“生チャンク”といった形で出力が行われる。

 また、最終的な結果が出るまでAIエージェントが繰り返しクエリを投げるため、Microsoft IQ側で適宜判断してより検索結果が得られそうなサブクエリに分解し、最終的に求める解に近い回答を返すような動作となる。

Foundry IQ

 後述の3つのデータ(Fabric IQ、Work IQ、Web IQ)をまとめてマルチソース検索を行い、ナレッジの統合層(ナレッジベース)として機能する。AIが外部データを参照して結果を返すための仕組みとして「RAG(Retrieval Augmented Generation:検索拡張生成)」があるが、Microsoft IQにおけるRAGとして機能し、選択された“AIモデル”やAIエージェントに対して検索結果を返す。

Fabric IQ

 組織全体の構造化・非構造化データを統合するデータレイク。基本的に社内業務に関する文章や知見などが蓄積される基幹データを集積したもの。

Work IQ

 Fabric IQが企業の抱える基幹データなのに対し、Work IQは先ほどの説明にもあるような「Microsoft 365」などを通じて得られる個々人の業務行動やコラボレーションといったものを理解・学習し、AIエージェントを介したワークフローを実行する上での基盤となる。

Web IQ

 学習済みのAIモデルは、必ずしも最新の情報を反映しているわけではないため、最新のリアルタイム情報や最新ニュースを取り込む。特徴として挙げられているのが低遅延で高スループットな点で、一般にAIエージェントは人間よりも高頻度・高密度で情報検索を行うので、結果を待つために外部検索がボトルネックになってしまう可能性がある。その点を改良してアピールポイントにしているのがWeb IQとなる。

Microsoft IQを構成する4つの要素
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