Chatから自律実行へ Microsoft IQとCopilot Cowork/Scoutが示すAIエージェントの近未来:Windowsフロントライン(2/2 ページ)

» 2026年09月01日 12時00分 公開
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チャットからマルチステップ実行、そして自律実行へ

 このように、Microsoft IQは現在Microsoftが提供している最新の企業向けAIエージェントの利用に向けた「基礎データ」の役割を果たしている。

 このデータを生かして実際に業務を回すのがCopilot Cowork/ Microsoft Scoutだ。Microsoftによれば、Copilot製品は「Chat」→「Cowork」→「Scout」の段階で進化しているという。

Copilotを取り巻く進化は、個々の製品の役割を見ると理解できる

 まず、Chatは分かりやすいだろう。チャッピーことChatGPTなどでおなじみだが、ユーザーの問い合わせに対して一問一答形式で対話による回答を返す仕組みだ。

 疑問があればチャット欄に投げ、適切(かどうかは場合による)な回答が返ってくる。外部サービスと連携することで、例えばメールの内容からスケジュールを登録したり、データを整理・成形して出力したりと、単純なテキストベースの回答にとどまらない少しだけ複雑な処理が可能だ。

 Coworkは、それをさらに進化させる。

 具体的には、ゴールを指示しておくことで、その実現に向けてAIエージェントが試行錯誤を繰り返して業務を達成しようとする。サンプルで挙がっているように、会議を実行するにあたり、必要な資料の準備と関係メンバーへの連絡ならびにスケジュール調整が必要となるが、この実行には資料作成、関係各所との調整、メールによる連絡、会議スケジュールの設定といった複数の“ステップ”がゴール到達までに必要となる。

 チャット型AIであれば、個々のタスクは消化できるかもしれないが、全体を統括して管理するのは人間の役割だ。Coworkでは最初の指示さえあれば、後はAIエージェントが頑張って複数のAIエージェントを呼び出しつつ、ゴールに向かって作業を繰り返す。

 このように複数のAIエージェントを統括して協調動作するAIエージェントを「オーケストレーター」(Orchestrator)などと呼んでいるが、これがCoworkの役割だ。

Copilot Coworkは複数のタスクを束ねて最終的なゴールを目指す

 そして、Microsoft Scoutだ。

 Coworkはクラウド上で動作しており、基本的にクラウド動作するアプリケーションをAPIやMCP経由でAIエージェントを通して連携させる。そのため、実際の動作にあたっては手元でPC操作は不要だ。指示を出して結果を待つ間は、PC操作から離れられる。

 だがMicrosoft Scoutの場合はPCのローカルで動作し、PCに関わる動作を代行する。Coworkの場合は結果待ちの間はAIに作業を任せて放置できるが、最初の指示と結果が返ってきた後は自らが操作する必要がある。

 ところが、Scoutはこの前後で発生するPC作業も自動化するので、反復可能な定例タスクや、ある程度面倒を見ておけば放置できるような作業の場合、AIがPCを実際に(バックグラウンドで)操作して作業を自律実行してくれる。

 人間で例えれば、指示した作業は必ずやってくれるものの、指示がなければ待機してしまう部下(Cowork)と、ある程度作業を覚えさせてしまえば自分の分身のように勝手に仕事を分担して済ませてしまう(Scout)といった違いがある。

 役割分担のようでいて、この違いは大きい。Microsoftが「Copilotの進化」と銘打つ理由はこの点にある。

3つのCopilot製品の役割と違い
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