では、実際にどれほど“背中がムレにくい”のだろうか。ここからは、リュックを背負って近所を散歩してみた際の使用感をお届けする。
最大の注目ポイントである通気性についてだが、背負った瞬間にこれまでのリュックとは明らかに異なる感覚を覚えた。背中を風がスーッと通り抜けていくのである。
このリュックは、背中に当たる部分に、支点を天地の2カ所に設定した通気性の高いメッシュ構造を採用している。このメッシュ部分がピンと張ることで、リュック本体と背中との間に、しっかりとした物理的な空間(隙間)が確保される仕組みだ。
実際に歩いてみると、張り詰めたメッシュが生み出す空間を風が通り抜けていくのをはっきりと実感できる。従来のようにバッグが背中に密着しないため、不快な熱や湿気がこもることがない。
筆者は、一般的に心地いいとされる23度程度の気温でも、5分歩いただけで汗だくになってしまう。試用期間中は気温が上がらず、“猛暑日”での検証こそかなわなかったが、汗かき体質の筆者であっても、この製品を背負った背中は名前の通りムレることがなく、終始ドライで快適だった。かいた汗の蒸発をリュックが妨げないおかげで体感温度も下がり、結果として全体の発汗量も抑えられたように感じる。
着用時の快適さについても触れておこう。前モデルである「<ANAオリジナル>タフなビジネスリュック」でも実感したことだが、肩ストラップの高いクッション性と絶妙な取り付け角度のおかげで、荷物の重さを感じにくく肩への負担が少ない。さらに、ストラップがずり落ちにくいため、移動時の動作も非常にスムーズに行える。
収納力に関しても申し分ない。11型MacBook Airをはじめ、ケース入りのポータブルゲーミングPC(Windows)やキーボード、モバイルバッテリー、スマートフォン、大型のコンパクトデジタルカメラ、A4サイズのノート、付属のガジェットポーチ、さらにはAndroidモバイルゲーム機まで、多彩なアイテムを余裕をもって収めることができた。
収納しているときは、それほど気にならなかったが、出してみると「こんなに入っていたのか」と驚く。なお、これはメイン気室のみを使った場合なので、前面にあるポケット(3カ所)も活用すれば、さらに多くのものを入れられるだろうサイズ感についても、通勤用のリュックとして最適なバランスに仕上がっている。19Lという容量の割にはコンパクトなため、満員電車内で前抱えにしても周囲の邪魔になりにくい。張りのある1680デニールの生地は荷物の量にかかわらず型くずれを防ぎ、常にスマートなシルエットを保ってくれる。また、訪問先で床に置いたとしても、汚れをサッと水拭きできるという手入れのしやすさも魅力である。
背中がムレにくいビジネスリュックは、1680デニールナイロンの優れた耐久性、ANAらしい洗練された航空モチーフのデザイン、そして夏場の不快感を劇的に軽減するメッシュ空間構造を見事に融合させた傑作バッグである。暑がりや汗かきの体質で、夏のリュック移動に悩まされているビジネスパーソンにとって、次期バッグの最有力候補としてぜひ検討してほしい逸品だ。
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