日本HPは10月9日、個人向けノートPCの新製品「HP OmniBook Ultra 16 AI PC」「HP OmniBook 5 14」を発表した。いずれも10月下旬に発売する予定で、価格と詳細な仕様は発売に合わせて公表するという。
日本HPの吉川直希氏(パーソナルシステムズ事業本部 コンシューマービジネス本部 カテゴリーマネージャー)は、11月から始まる同社の新しい事業年度を念頭に、2機種を「新年度の“命運”を握るプロダクト」だと語った。
OmniBook Ultra 16 AI PCは、NVIDIAがWindows PC向けに投入した新型プロセッサ(SoC)「RTX Spark」を搭載する16型クラムシェル式ノートPCだ。
吉川氏はOmniBook Ultra 16 AI PCの価格を「高い」とした上で、「具体的な金額は発売時に案内する」とアナウンスした。米国では10月16日に発売することが決まっており、最小構成価格は3199.99ドル(約50万5700円)という設定となっている。
Omniブランドは、HPにおいてコンシューマー(個人)向け製品に付与される(参考記事)。吉川氏によると、想定するユーザー層は「AIエンジニアやプロのクリエイター、ゲーマー」だといい、ブランド通りに“個人”が販売のメインとなるようである。
搭載するRTX Sparkは、最大20コアのCPU「NVIDIA Grace」と、最大6144基のCUDAコアを持つBlackwell世代の「RTX GPU」を1つのパッケージに収めたSoCで、両者はチップ間インタフェース「NVLink-C2C」で結ばれている。NVIDIAはこの構成を「スーパーチップ」と呼ぶ。Grace CPUはArmアーキテクチャベースで、MediaTekが設計に協力している。
GPUは第5世代の「Tensorコア」を備え、4bit浮動小数点(FP4)の演算で最大1PFLOPS(毎秒1000兆回)のAI処理性能を備える。
メモリはCPUとGPUが共有する「ユニファイドメモリ」アーキテクチャを採用しており、容量は最大128GBとなる。OmniBook Ultra 16 AI PCでも、128GB構成を用意しているという。
吉川氏は1PFLOPSというピーク性能を「10〜20年前のスーパーコンピュータくらいのレベル」と表現する。クラウドを経由せずにPC上で生成AIを動かし、動画編集や3D制作、AI開発の試作に使う用途に合っているとも語った。
本製品は「世界最薄のRTX Spark搭載ノートPC」をうたっている(※1)。その自称の通り、本体の厚さは約15.7mmと、スペックの割にかなりの薄型設計である。
(※1)2026年6月時点のHP自社調査データ
薄さと放熱性能を両立するために、本製品ではヒンジを本体後方に立てる「タワーヒンジ」と、自動車のトランクのように背面を開けた「トランク構造」を採用した。これにより、「吸気」と「排気」の通り道を確実に確保した上で、大型のヒートパイプと2基の薄型ファンで熱を逃がすようになっている。
吉川氏によると、この設計をOmniBookブランドの製品で採用するのは今回が初めてだという。
ディスプレイはタッチ操作対応の有機EL(OLED)を備える。パネル解像度は、3K(2880×1800ピクセル)で、リフレッシュレートは最大120Hzの可変式だ。
内蔵スピーカーは基構成で、自社の「Poly Studio」から監修を受けている。吉川氏は「映像と音声のチェックにも使える品質」だと自信を見せた。
Webカメラは、顔認証とHDR撮影対応の約500万画素のセンサーを採用している。これを生かした「AIカメラ」機能も備えており、手の動きでコンテンツを操作する「ジェスチャーコントロール」や、画面への接近や姿勢の崩れを知らせる「ウェルビーイング機能」も利用できる。
バッテリー(定格容量)は99Whで、米国モデルではHPの自社測定値でフルHD動画の連続再生時で最大17時間駆動するとされている。急速充電にも対応し、約30分で50%まで充電可能だ。
展示されていたOmniBook Ultra 16 AI PC。タッチ操作対応の16型有機ELディスプレイを備える。なお、OmniBook Ultraには14型モデル(OmniBook Ultra 14 AI PC)もあるが、こちらはIntelの「Core Ultra シリーズ3」またはQualcommの「Snapdragon X2 Elite」を搭載しているので一応の差別化はできている
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