法人向けiPhoneマーケット最新動向――なぜ、“ビジネスでiPhone”なのか?iPhoneとビジネスのミライ(1/2 ページ)

» 2010年03月16日 11時00分 公開
[手塚康夫(ジェナ),ITmedia]

 「iPhoneとビジネスのミライ」と題したこの連載では、法人向けのiPhoneアプリケーション開発、ソリューション提供を主軸とする「法人向けiPhone総合サービス」を提供し、iPhoneのビジネス活用を目的としたポータルサイト「iPhone Business Paradise」を運営するジェナ代表取締役の手塚康夫氏が、iPhoneを中心とした法人向けスマートフォン市場の最新情報を解説する。

iPhone導入企業、続々――ビジネスで本格活用する時代に

Photo 導入企業が増え始めたiPhone 3GS

 2010年3月1日、ユニクロで有名なファーストリテイリングが東京本部の移転にあわせ、iPhone 3GSを1200台導入した。この不況下で快進撃を続ける企業が導入を決めたとあって、iPhoneのビジネス活用に興味を持った人も多いのではないだろうか。同日には、ソフトバンクBBが法人向けに、iPhone端末内のデータを遠隔から消去できるようにする「リモートワイプサービス」をリリースするなど、法人向けiPhone市場では話題にこと欠かない日々が続いている。

 2009年夏のiPhone 3GS登場以来、法人向けiPhone市場は急速に成長し始め、導入する企業や団体が続々と増えている。「iPhoneはビジネスで使えない」――。そう言われた時代は終わり、「iPhoneをビジネスで本格活用する」時代が到来したのだ。

 なぜ、iPhoneをビジネスで活用する企業が増えているのか――。Webやメールにすばやくアクセスできる点、サクサクと動作する点、ビジネスで活用できるアプリが豊富な点などに加え、“法人活用の基本”ともいえるメールやスケジュールなどのPIM(Personal Information Management)機能とデータの同期手段を標準でサポートしている点も理由として挙げられるだろう。

 iPhoneでは、Exchange ActiveSyncと同期することで、Exchange上のメール/連絡先/カレンダー情報をiPhone標準のメール/連絡先/カレンダーアプリから利用でき、同様の仕組みでLotus Notes/Domino 8.5.1が提供する「Lotus Notes Traveler」を利用すれば、Lotus Notesのメール/アドレス帳/カレンダーのデータを同期できる。POP/IMAP対応のメールももちろん、iPhone上で設定することで簡単に利用可能だ。

 これまでさまざまな企業のiPhone導入をサポートしてきたが、メールやスケジュールなどの機能についてはiPhoneの標準アプリやサードパーティ製品の対応が進んでいるため、容易に導入できるケースがほとんどだ。

iPhone OS 3.0以降、セキュリティや運用管理機能が整う

 導入のハードルが上がるのが「社内システムとの連携」を目指すケースだ。AIGエジソン生命保険のように、iPhoneからSalesforce CRMを利用するという、iPhoneに対応した新規システムを導入する事例も存在するが、多くの企業では既存の社内システムをiPhoneに対応させたいというニーズが主流となっている。

 企業がiPhoneから利用したいと考える社内システムは、業種や業態によってさまざまだが、共通しているのは、外出が多い営業部門やマネジメント層が利用したいシステム(例えばワークフロー承認など)に集約される点だ。ただ、社内システムとiPhoneを連携させることで生産性や利便性は飛躍的に向上する一方、セキュリティや端末の運用管理に気を配る必要が出てくる。

 企業におけるスマートフォンの導入時には、その高機能さゆえに従来の携帯電話とは異なった、PCと同等のセキュリティや独自の運用管理が求められる。iPhoneについても、OS 3.0のリリース前にはセキュリティ面を懸念する声が少なくなかったが、OS 3.0以降はデータの暗号化(端末本体のデータ暗号化、バックアップデータの暗号化)やリモートワイプ(iPhone端末内のデータを遠隔から消去する機能)を始めとする、セキュリティ機能が大幅に強化され、セキュアな環境下でiPhoneを利用できるようになった。

 運用面では、Appleが提供する「iPhone 構成ユーティリティ」により、複数台のiPhoneの構成プロファイル(デバイスのセキュリティポリシーや各種設定が記述されたファイル)を一元的に管理できる。iPhone 構成ユーティリティでは、パスコードセキュリティの設定からアプリケーションの機能制限まで、さまざまな設定が可能だ。

 iPhoneは今や、法人利用に耐えうるセキュリティ機能を備え、企業のセキュリティポリシーに応じた柔軟な運用管理に対応する端末へと進化したわけだ。

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