危険なサイト、ブラウザが非表示に――企業のスマートデバイスをフィルタリングで守る「ビジネスブラウザ」(2/2 ページ)

» 2011年12月14日 13時00分 公開
[日高彰,ITmedia]
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5段階のルールを用意、運用/管理のしやすさもウリに

 こうしたニーズを受けてネットスターでは、フィルタリングサービスに対応したWebブラウザ「ビジネスブラウザ」(iPhone版/iPad版/Android版)を提供中だ。同社は3億ページ(2011年9月時点)を超えるURLリストを持っており、それらをカテゴリ別に分類してPCや携帯電話向けのURLリストを提供している。ビジネスブラウザはそのURLリストを利用して、モバイル機器からのWeb閲覧を管理・制限するものだ。

 iOS端末向けのビジネスブラウザには、標準ブラウザのSafariと同じレンダリングエンジン(WebKit)を採用しているので、Webページの表示は基本的にはSafariと変わらない。異なるのは、個々のWebページにアクセスする際、そのページが企業のポリシー上、許可されているかどうかをクラウド上のネットスターのサービスに問い合わせてからページを表示する点だ。

Photo サービスイメージ
Photo 左がiOS版、右がAndroid版ビジネスブラウザの利用イメージ。端末側にキャッシュや履歴を残さないよう設定することも可能だ

 Webフィルタリングソリューションの中には、プロキシサーバーやVPNゲートウェイでアクセスの可否を判定する製品もあるが、これらの製品は企業内のネットワークを経由する必要があるため、社外からアクセスする端末にポリシーを適用できなかったり、アクセスのスピードが低下したりといった問題がある。ネットスターのビジネスブラウザは、アクセス可否の判定をクラウド側で行い、Webページの転送もモバイル端末が通常使用するネットワークを利用するので、標準ブラウザを使うのと変わらないサクサク感で使えるのが特徴だ。

 管理や運用が煩雑でない点も特徴の1つ。ポリシーの設定や変更は、クラウド上の管理コンソールから一括で適用でき、その設定はブラウザアプリに自動で反映される。設定項目自体もさほど多くなく、フィルタリング設定についても標準的なルールがあらかじめ用意されるので、管理者はサイトごとのアクセス可否をいちいち設定することなくフィルターを適用できる。

 初期状態では、特にリスクの高いサイトのみを制限する設定になっているが、さらに厳しい設定も含めた全5段階のルールから管理者が任意にルールを選択できる。また、これらのルールとは別に、明示的にホワイトリストに登録したサイト以外のすべてのサイトへのアクセスを遮断する設定も用意されるので、前述したような企業の需要にも対応できる。

 モバイル機器の導入にあたっては端末だけでなく、さまざまなサービスについても初期設定を施す必要があるため、ルールを選ぶだけで運用を開始できるビジネスブラウザは、導入企業のシステム管理者から好評だという。

Photo 設定画面はシンプルで分かりやすい

5段階のフィルタリングルール
フィルタの段階 ルールの概要
標準(デフォルト) 利用リスクが特に大きな分野についてのみ制限を行う標準的な組み合わせ
パターン1 標準の組み合わせに加え、情報漏えい等の可能性がある参加・発信型サイトについても制限
パターン2 パターン1に加え、主に娯楽用途と思われる分野についても制限
パターン3 パターン2に加え、業務情報収集に用いられる分野についても制限
最も厳しく 懸念の対象となりうるすべての分野について制限を行う組み合わせ
全てを制限 管理者が指定した除外サイト以外、全てのサイトへのアクセスを制限

 なお、スマートデバイスにビジネスブラウザをインストールしても、標準ブラウザからは普通にWebを閲覧できてしまうため、他社製のモバイル端末管理ソリューションを利用するか、iOSなら構成ユーティリティ、Androidならネットスターが用意する管理アプリ「セキュアスクリーン」(無償)などを利用して、標準ブラウザを無効にする必要がある。

 ビジネスブラウザの販売代理店には、iPadの法人向け導入をサポートするソフトバンクテレコムなども含まれているので、iPadの購入と同時にビジネスブラウザを導入する場合は、これらの初期設定を代理店に任せることもできる。

新たな活用法の発見につながるアクセスログの分析機能も

 ビジネスブラウザのもう1つの特徴は、サイトのアクセスログを取得できる点だ。管理者は、社員がいつどんなサイトにアクセスし、どんなキーワードで検索しているかを把握することができる。

 外出先からスマートデバイスで、社内ネットワークを経由せずにインターネットにアクセスしている間は、通常であればその端末がどのように使われているかを経営者やシステム管理者が知るすべはない。このため、“リスクのあるサイトにアクセスしていないか”“業務に無関係のサイトにアクセスしていないか”という負の要素はもとより、どのような形で業務に役立っているかを検証するのも難しいのが現状だ。

 ビジネスブラウザにはアクセスログを集計するレポート機能が備わっているので、社員がスマートデバイスから、どんなサイトをよく利用しているかを分析できる。当初想定していたのとは異なるカテゴリのサイトへのアクセスが多く、導入時には考えていなかったスマートデバイスの新たな活用法が見つかるケースもあるそうだ。

Photo サイトのカテゴリ別、検索キーワード別のアクセス分析画面
Photo 日別のアクセスグラフ。時間別でも調べられる

 スマートデバイスの業務活用は、導入意欲そのものが先行しがちであり、本来は先にあるべきセキュリティ対策や導入効果測定の必要性が、あとから分かってくるケースも少なくない。ネットスターでは、すぐ導入でき、運用の手間がかからないセキュリティ管理ソリューションとしてビジネスブラウザを訴求していく考えだ。

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