コンテンツホルダーに“中国行きの高速道路”を――中国進出を支援する流通プラットフォーム登場:中国スマホ市場への進出を支援(1/2 ページ)

» 2012年02月24日 23時45分 公開
[後藤祥子,ITmedia]

 日本でAndroid端末向けの独自コンテンツマーケット「TapnowMarket」を展開するACCESSPORTが、中国のインターネット企業Qihoo 360 Technology(チーフー サンロクマル テクノロジー)と提携し、日中間でコンテンツを相互に提供するための流通プラットフォームを構築すると発表した。

Photo 握手を交わすACCESSPORTの翁永飆氏(左)と沈海寅氏(右)、Qihoo 360 TechnologyのHongyi Zhou氏(中)

 日本のコンテンツホルダーが持つAndroidアプリやビデオ、音楽などを容易に中国市場で展開できるよう支援するとともに、それぞれの国に対応する課金システムやDRM(デジタル著作権管理)の仕組みも開発。ACCESSPORTで事業部長を務める楠雄司氏は、「日本にいながらにして中国市場に参入できる。中国行きの高速道路ができるイメージ」と自信を見せた。

 Android向けアプリは、Googleが提供するAndroid Marketに登録することで世界に向けて配信できるが、中国ではGoogleがAndroid Marketを提供していない。そのため、中国では独自マーケットを通じた提供が主流となっており、外国企業の参入はハードルが高いという。

 「まず、コンテンツを扱うには情報提供サービスのライセンスを取得する必要がある。ライセンスを取得しても、次はどのマーケットでどう売ればいいのか、どんなプロモーションが有効なのか――といった問題も出てくる。そして“海賊版が多くて買ってもらえない”などの理由で撤退してしまう」(楠氏)

Photo GoogleがAndroid Marketを提供していないことから、コンテンツプロバイダの中国進出はハードルが高くなっている

 しかし、中国ではスマートフォンが急速に普及し始め、オンライン決済に慣れたユーザーも増加傾向にあるなど、コンテンツホルダーにとって見逃せない市場になりつつある。こうした背景から両社は、日本と中国をつなぐプラットフォームを共同で構築し、運営することで合意したという。

 Qihoo 360 Technologyは中国でPC/スマートフォン向けにセキュリティサービスやデスクトップサービス、アプリ配信サービスなどを提供しており、「PCで約4億、スマートフォンで約7000万規模のユーザー基盤がある」と同社CEOのHongyi Zhou氏。両社が提供するプラットフォームを利用すれば、TapnowMarket向けの仕様で開発したアプリをQihoo 360のサービスを利用するユーザーに提供できるようになる。

 具体的には、TapnowMarketとQihoo 360の両マーケットの課金システムに対応するSDKを共同で開発し、あわせてマーケットへの登録窓口を一元化する。コンテンツホルダーは、仕様に沿って開発したアプリをいったん登録すれば、価格設定やマーケティング戦略などの設定を変えるだけで、どちらのマーケットにも公開できるようになる。さらに、著作権の管理手法も共通化し、コンテンツホルダーが安心して参入できるようにする計画だ。DRMについては、「日本の音楽業界や映像業界が認める仕組みを採用し、中国でも同じものを適用する」(楠氏)という。

Photo 1つのアプリを開発すれば、日本のTapnowMarketにも中国のQihoo 360が展開するマーケットにも展開できるコンテンツ流通プラットフォームを構築する

Photo 双方の課金方式に対応するSDKを提供。アプリの登録窓口も一元化し、コンテンツの登録や販売状況の確認などをシンプルに行えるようにした

 レベニューシェアの比率については、AppStoreやAndroid Marketと同程度になる見込み。また、マーケットに公開されたアプリの安全性については、一般公開の前にウイルス感染などの恐れがないかをチェックすることで確認するという。

 この流通プラットフォームには、モバゲーを運営するコンテンツプロバイダ大手のディー・エヌ・エーが参画を決めるなど、幸先のよいスタートを切った。両社は今後、幅広いジャンルのコンテンツホルダーに参加を呼びかけ、プラットフォームの活性化を目指す考えだ。

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