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» 2012年09月28日 23時00分 公開

KDDIのスタートアップ支援:世界を目指し、未来を変える――「KDDI ∞ Labo」に選ばれた期待の新星たち (2/2)

[後藤祥子,ITmedia]
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スマホで“もぎり”ができるチケットを――「tixee」

Photo Live Stylsの創設者でCEOの松田晋之介氏

 電車のチケットや航空券など、さまざまなチケットが電子化する中、コンサートのチケットは依然、紙が主流となっている。ここに着目したのが、Live Stylesの電子チケットサービス「tixee」だ。

 tixeeのチケットはスマートフォン上に表示でき、スワイプ操作で「チケットの半券をもぎれる」ようにしているのがポイント。バーコードを読み取るための機器を使うことなく、紙のチケットのようにスピーディにもぎれるのが特徴だ。

 Live Stylsの創設者でCEOの松田晋之介氏は、「これまでQRコードを使った電子チケットを提案してきたが、全く通用しなかった」と振り返る。読み取りのスピードが遅いため、入場時のチケット処理にスピードが求められるイベントでは使えないからだ。同社は8月半ばに、この“電子もぎり”を実現し、以降、さまざまなイベントで採用され始めたという。「tixeeはQRコードの問題点を解決できる。主催者は(読み取り)端末を用意しなくてすみ、紙と同じスピードで入場できる。入場した正確な時間が分かり、クーポン連動やファンクラブへの誘導もできる」(松田氏)

Photo もぎり前ともぎり後のチケット(画面=左)。チケットは店に並んで買う時代から、ネットで買ってコンビニで発券する時代を経て、これからはスマホで買ってダウンロードする時代になるという(画面=右)

 tixeeの魅力はそれだけではない。チケットの検索から購入、入場までを一気通貫で行えるのがもう1つの特徴だ。イベントの主催者はSNSやメールを通じて、コンシューマーに直接チケットを販売でき、利用者は発券のために外出することなくチケットを入手できる。チケットが入ったスマートフォンを持って行けばそのまま入場することが可能だ。「探せて買えて、(情報を)共有できて、そのまま入れる。ライブ会場の外でチケットを買って、そのまま入場する――といったことも可能になる」(松田氏)。

 同社は今後、国内市場の拡大を図るとともに、まだ電子チケットが普及していないアジア各国への進出を目指す。KDDI ∞ Laboには、増え始めている大手クライアントに対応するためのシステムのブラッシュアップに関する支援を期待しているという。

Photo QRコードを利用した電子チケットの課題を解決するという(画面=左)。日本だけでなく、アジアでの展開も目指す(画面=右)

学ぶ人と教える人をネット上でマッチング――「Mana.bo」

Photo Mana.boの開発を手がけるエンジニアの三橋克仁氏

 勉強中に分からないと思った問題を、スマホ経由でその場で教えてもらえる――。スマートフォン世代の受験生の注目を集めそうなサービスを開発しているのが、学生ベンチャー枠で選出されたMana.boのオンライン学習サービスだ。

 分からないと思ったときに、すぐ教えてもらえるのが特徴。アプリにはVoIPの通話やホワイトボード、画像共有などの機能が用意され、その場で教わっているのに近い感覚で利用できるという。

 分からない問題があった場合、生徒はアプリを立ち上げて教科と詳細情報を入力し、問題をカメラで撮ってアップロードする。すると、オンラインで控えているチューター(先生)に通知され、教えることができるチューターが集まる。生徒は集まったチューターの中から教わりたいと思う人を選ぶという仕組みだ。

Photo 分からない時にすぐ聞けるのが特徴。描いた軌跡がリアルタイムで反映されるホワイトボード機能が用意され、その場で教わっているような感覚で利用できるという

 教わった生徒はチューターを評価することができ、その評価はチューターが受け取る報酬に反映される。チューターの取り分は70%からスタートし、評価に応じて最大90%まで上がるので、それが教えるモチベーションにつながるわけだ。

 このシステムでは、誰でもチューターとして登録できる半面、玉石混淆の状態になりかねないため、登録当初のチューターはMana.boサイドで質を担保するようにし、その後オープン化する形をとるという。

Photo Mana.boのビジネスモデル。学びたい人と教えたい人をマッチングするプラットフォームだ

 遠隔指導の市場は、日本だけでも1000億円規模と大きく、家庭が個人指導に充てる金額が増えているため、少子化の影響もさほど受けないという。今後の成長が期待される市場だけに、今後はライバル企業が増えることも予想されるが、Mana.boでは、手書きの数式をデジタル化する数式認識エンジンを搭載するなど、デジタルならではの仕組みを取り入れることで優位性を打ち出す考えだ。

Photo 数式認識エンジンのデモ

 10月中旬以降のサービスインを予定しており、Mana.boの開発を手がける三橋克仁氏によれば、現在は生徒やチューターを集めるためのプロモーションに注力しているという。ビジネスモデルについては、遠隔授業を手がけていながら技術面が追いついていない塾などとの提携を進めるほか、参考書を買った人にMana.boで使えるポイントカードを合わせて販売するような仕組み作りを進めている。

 Mana.boは5人のスタッフ全員がエンジニアで、KDDI ∞ Laboには、経理や法務関連、ブランド戦略の支援を期待しているという。

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