通信キャリアの収益支えるM2M、2013年には中国が最大市場に調査リポート

» 2013年03月11日 21時55分 公開
[末岡洋子,ITmedia]
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 世界的に進展しつつあるマシン間通信(M2M)。中でも中国市場は2013年、契約数が40%増で拡大し、米国をしのぐ世界最大の市場になるとPyramid Researchが予想している。背景には中国政府の支援もあるという。

 Pyramid Researchが3月8日に発表した報告書「Cellular M2M Connections: An Analysis of Growth Drivers, Market Segments and Operator Approaches」によると、中国のM2M契約数は2013年に前年比40%増の4500万に達し、現在最多の米国を上回ることが予想されるという。同リポートでは、2017年の契約数は1億3800万件に達すると見込んでいる。

 Pyramid Researchによると、中国政府は2011年〜2015年の開発計画でM2Mを主要分野と位置づけており、エネルギー効率の改善、交通・運輸、ヘルスケアなどの分野で大規模な人口を支えるにあたってM2Mを活用していく方針を固めているという。また、製造、デバイス設計、ソフトウェア開発、クラウドサービス、ネットワークサービスなどの分野で、M2M製品やサービスの国内開発を通じて世界的なリーダーになるという目標を掲げている。

 例えば最大の通信キャリアであるChina Mobileは、2010年にM2Mサービスの基盤となるプラットフォームへの投資を行っており、自動車などのメーカーと提携してM2Mモジュールをプリインストールしているという。同社はまた、政府との協業を通じ、ワイヤレスシティ(スマートシティ)の開発にも参加している。

 モバイル業界団体のGSM Associtaion(GSMA)は先に、M2Mが通信キャリアのデータ収益の増加に大きく貢献するという見通しを発表している。M2Mの活用分野としてモバイルヘルス(mHealth)、自動車、教育、スマートメーターなどを挙げており、たとえばヘルスケアでの利用により、2017年までに経済協力開発機構(OECD)加盟国全体で4億ドルのコストを削減できるとしている。

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